【完結】ホテル王の甘く過激なご要望

42 ピンと来た!

side天羽萬里

俺は考えた。
どうすれば、琴宮を自分の女に出来るか?

そして、ピンと来たのだ。

俺はその日も琴宮の仕事用携帯に電話をかけ、『すぐに来い』と言った。

琴宮は5分後にオープンロイヤルスイートにやってきた。

「何ですか…?
それ…?」

琴宮が俺がテーブルの上に置いた箱を見て言う。

「馬鹿、お前、こんなのも知らないのか?」

俺は自慢気に言った。

「いえ、知ってますけど、なぜ、ここに?」

そう、それはゲーム、Wiiだった。

「何って、ワイン片手にこの箱を鑑賞すると思うか?
Wiiと言えば、Wiiスポーツだろ!」

俺は言う。

「お一人で…?」

「だから、馬鹿なのか、お前は。
1人でやって何が楽しいんだ?
琴宮と俺で対戦するんだよ。」

「はぁ…?」

「よしっ、やるぞ、琴宮!
白のリモコンは俺な!
お前ピンクで良いだろ!」

俺は箱を開け始める。

「待ってください。
まだ、するとは…」

琴宮だ。

「なんだ、俺に負けるのが怖いのか?」

お決まりのセリフを言う俺。

「いえ、そう言う事では…」

「か、か、賭けないか?
ほ、ほ、ほら、ただやるだけじゃ、つまんないだろ?」

俺はかなりさりげなく言った。

「はぁ…
一体何を賭けるのですか?」

「だから、それは…
勝った方が決めるんだ…!!!」

「んー…
やっても良いですけど…」

琴宮は言い、ピンクのリモコンを取った。

よっしゃぁぁぁあ!
こっちのもんだ!

「よし、テニスからするか!」

「そうですね。」

そして、テニス、野球、ボウリング、ゴルフ、ボクシングの結果…

3対2で俺は負けた…

「あら、私の勝ちみたいですね?」

「くそっ…!」

俺の計画は台無しだ。

「何でも言う事聞くんですよね?」

「あぁ、何でも言え!」

俺はヤケになって答える。

「では。
今日はホテルの全体のコンシェルジュとして忙しいので、天羽オーナーにだけ構ってる暇ありません。
なので、呼び出さないで下さい。」

ピシャリという琴宮に、俺は苛立った。

なんだよ、それ!?

勝ったら、キスして下さい、とか、そう言う可愛い事は言えないのか!?

俺は琴宮にとって迷惑な存在でしか無いのか!?

俺は軽く絶望した。

「わ、わ、分かったよ!
呼ばねーよ!
せいぜい頑張るんだな!」

俺は琴宮をオープンロイヤルスイートから追い出した。

「そんな追い出さなくても…」

琴宮は不審そうな顔をしていたが、俺のプライドは傷ついていた。

そして、そこから、俺はWiiと戦った。
何としても、Wiiで琴宮に勝つんだ!

そして、俺の猛特訓は深夜まで続いたのだった。
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