【完結】ホテル王の甘く過激なご要望
45 完璧なドライブへ
side天羽萬里
だってそれは…
モテ男のドライブデートテクニックが1つも実践できなかったから…
とは、言えない。
俺にも、と言うか、俺にはかなり厄介なプライドがある。
「まぁ、お前も色々ストレスとか溜まってるだろうからな。
こうして、ドライブに連れ出してきた訳よ!」
トホホ…
素直に言えない自分が悲しい…
「それはありがとうございます。」
素直にお礼を言う琴宮。
あーぁ…
助手席に手を回す、も、片手運転も、何も出来やしねー…
ん?
そう言えば後一つ何かあったな…?
何だっけ…???
「…オーナー!
天羽オーナー!
どうしたんですか?」
「お前はうるさい奴だな。
少し黙って運転してろよ。」
せっかく思い出しているのに。
「だから、コンビニ寄って良いですか?って…
飲み物が…」
そうだ!
信号待ちのチュー!だ!!!
俺に光が差した。
今の信号は赤!!!
これなら、できる!!!
俺は琴宮のシートの下に手を潜り込ませ、彼女を引き寄せるとキスをした。
「んん…!
何するんですかぁぁぁあ!」
平手打ちが飛んできた…
「全く…!
ドスケベの変態の下半身の…!」
琴宮は運転しながら、プンプンと怒っている。
俺は…
琴宮にとって一体何なんだろうか…?
ドスケベの変態の下半身の…
ただの上司でお客様なのか…
俺はもう確かめずにはいられなかった。
「琴宮…」
「え、何ですか?
あら、あのコンビニ潰れたのね。」
「俺、お前のことが好きなんだ…」
俺はかなり情け無いと思う。
本当は城でも買って、その前で花束持って言うはずだった。
なのに、現実はオートマのフェラーリの…
しかも、"助手席"だ…
「え、好き?
あぁ、そうで…
って、えぇぇぇぇぇ!?」
「どうしようも無いくらい…
好きだ…」
俺は自分の気持ちにはブレーキをかけることは出来なかった…
代わりに琴宮がブレーキを踏んだ。
車はコンビニに来ていた。
「あの、私…
その…」
眉間に皺を寄せて言う琴宮に、俺は言った。
「少しずつで良いんだ、今じゃ無くても。
俺の事男として見てくれないか?
ちなみに、飲み物は琴宮の奢りだ!」
何を言ってるんだか、俺はそう付け加えた。
「何ですか、それ!」
彼女は笑った。
そんな笑顔に心が苦しくなって、2度目のキスをした。
彼女は口を開き、おずおずと舌を絡めて、俺のキスに答えてくれた。
俺は嬉しかった。
城じゃなくてコンビニの前だし、手には花束じゃ無くて小銭入れだし、何もかもが違ったが、何もかもが完璧だったんだ。
こうして、ドライブデートは終わったのだった。
だってそれは…
モテ男のドライブデートテクニックが1つも実践できなかったから…
とは、言えない。
俺にも、と言うか、俺にはかなり厄介なプライドがある。
「まぁ、お前も色々ストレスとか溜まってるだろうからな。
こうして、ドライブに連れ出してきた訳よ!」
トホホ…
素直に言えない自分が悲しい…
「それはありがとうございます。」
素直にお礼を言う琴宮。
あーぁ…
助手席に手を回す、も、片手運転も、何も出来やしねー…
ん?
そう言えば後一つ何かあったな…?
何だっけ…???
「…オーナー!
天羽オーナー!
どうしたんですか?」
「お前はうるさい奴だな。
少し黙って運転してろよ。」
せっかく思い出しているのに。
「だから、コンビニ寄って良いですか?って…
飲み物が…」
そうだ!
信号待ちのチュー!だ!!!
俺に光が差した。
今の信号は赤!!!
これなら、できる!!!
俺は琴宮のシートの下に手を潜り込ませ、彼女を引き寄せるとキスをした。
「んん…!
何するんですかぁぁぁあ!」
平手打ちが飛んできた…
「全く…!
ドスケベの変態の下半身の…!」
琴宮は運転しながら、プンプンと怒っている。
俺は…
琴宮にとって一体何なんだろうか…?
ドスケベの変態の下半身の…
ただの上司でお客様なのか…
俺はもう確かめずにはいられなかった。
「琴宮…」
「え、何ですか?
あら、あのコンビニ潰れたのね。」
「俺、お前のことが好きなんだ…」
俺はかなり情け無いと思う。
本当は城でも買って、その前で花束持って言うはずだった。
なのに、現実はオートマのフェラーリの…
しかも、"助手席"だ…
「え、好き?
あぁ、そうで…
って、えぇぇぇぇぇ!?」
「どうしようも無いくらい…
好きだ…」
俺は自分の気持ちにはブレーキをかけることは出来なかった…
代わりに琴宮がブレーキを踏んだ。
車はコンビニに来ていた。
「あの、私…
その…」
眉間に皺を寄せて言う琴宮に、俺は言った。
「少しずつで良いんだ、今じゃ無くても。
俺の事男として見てくれないか?
ちなみに、飲み物は琴宮の奢りだ!」
何を言ってるんだか、俺はそう付け加えた。
「何ですか、それ!」
彼女は笑った。
そんな笑顔に心が苦しくなって、2度目のキスをした。
彼女は口を開き、おずおずと舌を絡めて、俺のキスに答えてくれた。
俺は嬉しかった。
城じゃなくてコンビニの前だし、手には花束じゃ無くて小銭入れだし、何もかもが違ったが、何もかもが完璧だったんだ。
こうして、ドライブデートは終わったのだった。