【完結】ホテル王の甘く過激なご要望

47 いいや、メロンだ!

私はSuicaで改札を通り抜けた。

すると、背後から『ブー!』という機械音が鳴った。

「何やってるんですか?」

「何って、ブラックカードをかざしてるのに、この機械が俺を通さないんだよ!
くそっ!
じゃ、プラチナカードならどうだ!

ダメだ!
駅員を呼べ!

この機械は故障している!!!」

天羽オーナーは叫び散らかす。

私は恥ずかしくなって赤面した。

「天羽オーナー!
Suicaは持ってないんですか!?」

「馬鹿、お前、スイカなんて安物だろ。
そこはメロンかマンゴーだろ。」

トンチンカンな事を言う天羽オーナー。

「困りますねぇ!
お客さん!
改札機にクレジットカードなんてかざされちゃ!」

駅員さんが困った顔でやって来た。

「なんだと!?
このカードは◯◯のブラックカードだぞ!?
家だって買えるのに、改札機を通らないはず無いだろ!」

天羽オーナーは無茶苦茶な事を言っている。

私は駅員さんに平謝りして、改札券の購入機の前に天羽オーナーを引っ張って行った。

「いてててて!
何だよ、琴宮!

俺を怒るのかよ!?」

「怒りますよ!
改札機にクレジットカードをかざす人がどこに居るんですか!?
切符買って下さい!」

「切符?
どうやって買うんだ?
ブラックカード使えるのか???」

天羽オーナーはまたブラックカードを出す。

私は横から小銭を入れた。

「ほら、愛月駅を押して下さい!」

つい、イライラしてしまう。

「おぉ、小銭なんか使うのか!」

天羽オーナーはやっと理解したのか、愛月駅までの切符を買った。

そうして、電車に乗り、やっとボクシング会場へと辿り着いた。

私は疲れ果てながらも、席についた。

「行け!
ボディブローだ!」

ボクシングは白熱し、天羽オーナーは試合にのめり込んでいく。

私はダラダラと流れる血や、激しい歓声などを、見たり聞いたりしている内に気分が悪くなってきた。
だから、ボクシングなど嫌だと言ったのに…

「天羽…オーナー…
私、少し気分が…」

私は席に座りこんだ。

「大丈夫か!?
琴宮!?」

天羽オーナーも心配して隣に座った。

私は天羽オーナーの提案で、天羽オーナーの膝に横になった。

天羽オーナーが背中を撫でてくれる。

「すいません…
天羽オーナー…」

「気にするな。
俺が無理矢理誘ったから…」

天羽オーナーも反省しているようだ。

しばらく横になって、そろそろ大丈夫かな?と思ったその時…

ブラのホックが外れた。
いや、外されたのだ!

「きゃっ!
何するんですか!
天羽オーナー!!?」

私は胸を覆い隠し、ホックを直す為トイレに行こうとする。

「ダメだ。
そのまま帰れ。」
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