【完結】ホテル王の甘く過激なご要望

48 変態に謝れ

「はぁ!?
このまま!?
そんなの露出狂の変態じゃ無いですか!?」

私は掴まれた腕を離そうとするが、天羽オーナーは放さない。

「別に全裸で歩いてるわけじゃ無いんだから、露出狂は言い過ぎだろ。
本物の露出狂に失礼だろう。
変態にも謝れ。」

「なにを偉そうに言ってるんですか!?
このままなんて、嫌ですよ!」

「何でだよ!?」

「当たり前でしょお!(怒(怒」

私は怒るが、天羽オーナーはそのまま私の手を引き出口に連れて行った。

「ちょ!
天羽オーナー!

ブ、ブ、ブラがずれて…」

私は小声で言う。

「何だよ!?
琴宮!!!

お前、乳首見えてるぞ!?

ダメだろ、ちゃんとブラ付けないと!!!」

天羽オーナーは大声で言った。

会社員の男性や女性たちが私に目線を送る。

男性達は好奇の目で、女性は不審な目で私を見た。

「ひ、ひ、酷いですぅ〜…
うぅ…
ひっく…」

私は恥ずかしさのあまり泣き出してしまった。

天羽オーナーは笑い転げている。

「わ、わ、悪かったよ!(笑
ほら、トイレで直してこいって。」

天羽オーナーに腕をやっと解放されて、私はトイレにダッシュした。

あの、変態男ぉぉぉお!!!
ぜっっったい!
許さないんだから!!!

そして、私たちは超険悪なまま、ホテル・ヘブンリーフェザーに帰りついたのだった。

ちなみに、帰りの電車の小銭は貸さなかった。
天羽オーナーは必死に小銭入れと相談して、小銭をかき集めていた。

良い気味だわ!

そして、コンシェルジュルームに着き、私はいつもの制服に着替えた。

しばらく天羽オーナーの電話には出ないことにした。
何度かかかって来ていたが、全部無視した。

あんな変態の電話なんて出るもんですか!

その日は遅番で、私は夜の23時上がりだった。

また、天羽オーナーから電話だ…

うーん、そろそろ出るか…?

「はい、コンシェルジュ琴宮です…」

仕方なく電話に出た時、天羽オーナーの掠れた声が電話口から聞こえてきた。

『助けて…く…れ…』

「天羽オーナー!?
天羽オーナー!!!」

私はすぐにオープンロイヤルスイートルームの鍵を取り、天羽オーナーの部屋に向かった。

「天羽オーナー!?
入りますよ!?」

私は扉を合鍵で開けて中に入る。

天羽オーナーはソファに倒れかかっていた。

「あ、天羽オーナー!!!
し、しっかり…!
やだ!
すごい熱だわ!!!」

どうしよう?
リムジンの送迎はもう時間外だし。
病院の訪問診療も時間外だわ。

救急車!?
い、いいえ!
タクシーを呼ぶしかない!

咄嗟の判断でタクシーを呼んだ。

同時にドアマンを呼び、天羽オーナーをタクシーまで運んでもらった。
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