ホテル王の甘く過激なご要望

7 ホテル内デート?

その時、私の仕事用携帯の電話が鳴った。
知らない番号だ。
しかし、何かしらの外部の店舗からかもしれないので、私は電話に出る事にした。

「はい、ヘブンリーフェザー・コンシェルジュの琴宮です。」

「あぁ、天羽だ。
1分以内に来い。
それと、この番号は登録しておけ。」

天羽オーナーはそう言って電話を一方的に切った。

どうして、私の携帯の電話番号を…!?

「あ、センパァイ!
天羽様が琴宮さんの仕事用の携帯番号教えてって言うから、教えときましたよー!」

ありがとう、来栖、親切ね(怒

「そ、そう。」

私はそれだけ言い、オープンロイヤルスイート専用のエレベーターに駆け込んだ。

エレベーターの中で『ド変態天羽』と、登録した。

オープンロイヤルスイートに入ると、彼は白のワイシャツに薄い黒のデニムジーンズを履いていた。

ホッ…
服着てる…

何となく安心する私。

「琴宮、ホテル内デートしようぜ。」

天羽オーナーは言った。

「ホテル内デート?」

よく分からない言葉だが、私は一歩下がる。

「お堅いねぇ。
ホテル内の施設を案内してって言ってんの。
コンシェルジュの大事な仕事の1つだろ?」

「あぁ、そう言う意味ですか…」

「他にどんな意味があるんだ?」

ニヤリと笑う天羽オーナーに危険を感じ、さらに二歩下がった。

「ですが…」

「ですが?」

「天羽オーナーはこのホテルのオーナーな訳で…
ホテル内の施設などご存知のはずでは?」

私は言う。

「俺が何百のホテルを手がけていると思う?
このホテルの施設なんて、何にも知らねーよ。」

天羽オーナーは手に持っていたりんごを齧って言った。

「分かりました、それでは御案内致します。」

この部屋で変な事をされるよりはよっぽど良い、そう思った。

「では、まず、1階に下りましょう。」

「おっけー。」

専用のエレベーターで1階まで降りる。

「まず、1階のメインストリートの反対側のテラスにあるのが、プールです。
ホットドッグやフライドポテト、かき氷、など、軽食の出店もあります。」

私は説明する。

「へー。
まぁ、オープンロイヤルにはプライベートプールあるしね。」

天羽オーナー。

もっともだ。

「では、次の施設をご案内します。」

そして、温泉、サウナ、セレクトショップ、エステサロン、ジム、レストランなどなど、ホテル・ヘブンリーフェザーにある施設をすべて紹介し終わった。

帰りの専用エレベーターで。

「サンキューな、琴宮。
為になったよ。」

「いえ、どういたしまして。
仕事ですから、ご遠慮なく。」

私は一礼して言った。

「んー…」

天羽オーナー。

「?
どうかされました?」

「制服に糸くず付いてるよ?」

「えっ、どこですか!?」

すると、天羽オーナーは私を壁際に押し倒した。

「ここ♡」

天羽オーナーの右手は確かに私の胸を揉んでいる。

「や、や、やめてください!!!」

「減るもんじゃあるまいし。」

「いやっ!」

私は天羽オーナーの股間を蹴り上げ、エレベーターの緊急停止ボタンを押し、エレベーターから脱出した。
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