早河シリーズ第一幕【影法師】

あとがき

 早河シリーズ第一幕【影法師】をお読みいただきありがとうございます。

前作【白昼夢】からの読者の方、【影法師】で私の作品を見つけていただいた方、どちらもいらっしゃると思います。

この早河シリーズは早河仁を主人公に、香道なぎさをヒロインとした長編推理小説シリーズになります。

 シリーズのメインテーマは早河と貴嶋(キング)の戦いと、早河の助手となったヒロインのなぎさの成長。

 主人公の早河仁は作者から見ても何考えてるのかわからない掴み所のない男ですね。早河さん、あなたのコントロールが一番難しいのよ……となるような作者泣かせの主人公です。

彼は煙草とブラックコーヒーがあれば生きていけます。好きなものは煙草とブラックコーヒー、苦手なものは早起きとジェットコースター。

 ヒロインの香道なぎさは、これがまた無茶苦茶やらかす子で……。
だからこそ早河よりも動かしやすいキャラクターではありますね。

なぎさはお嬢さん育ちの世間知らずな23歳。家もそれなりに裕福で、大学を出て就職して、でもプライベートは順風満帆とはいかなくて、なぎさは不倫と堕胎を経験します。

 推理小説シリーズのヒロインと言うと、悲劇的な過去を背負っている悲劇のヒロインのイメージが私にはありますが、なぎさの生い立ちには悲劇的なものは何ひとつなく、彼女は家族や周囲の愛情を存分に注がれて何不自由なく23年間生きてきました。

早河シリーズのキーパーソンでもある前作【白昼夢】主人公の浅丘美月の方が悲劇のヒロインっぽいですね。
なぎさが何かを背負うとすればここからです。なぎさの人生もここから動き出します。

 キングもただの悪役ではなく、主人公の早河と対になるダークヒーローの位置付けです。
作中で登場するキーワード〈天地創造〉
キングの目指す天地創造とは何なのか、これが早河シリーズを通しての重要な鍵となります。

 早河とキングは高校時代に互いに一番気を遣わなくてもいい関係、いわゆる親友同士でした。
だから追う側と追われる側以前に友情ってものが二人の間にはあって。でも早河の父親殺したのはキングだからっていう、私の好きな要素を詰め込んだ関係性になっております。

キングは早河さんに追われることをものすごーく愉しんでいます。悪い笑顔で。笑

 兄の死や堕胎を乗り越え、早河の下で働くことでなぎさがどう成長していくのか。なぎさとの関わりで早河にどんな変化が訪れるのか。

早河となぎさにラブな展開はあるのでしょうか?
シリーズ物ならではのキャラクター達の関係性の変化も楽しめます。

 探偵と助手となった早河となぎさの次の物語は第二幕【金平糖】。ここからが真の早河シリーズとなります。

 早河シリーズが警察ミステリーだと期待した方には申し訳ないです……。早河が刑事でいるのは、この【影法師】のみです。
警察ミステリーをご希望の方には、早河シリーズの後継シリーズである『ミドエンシリーズ』が一応は女刑事が主役の警察ミステリーなので、そちらをおすすめします✧

 そして【白昼夢スピンオフ】収録の【mirage】ではまだ新宿の所轄警察署にいた頃の24歳の早河と香道、高校生のなぎさも出ています。

【白昼夢】・【影法師】と読み終えた方は、【白昼夢スピンオフ】の方もぜひぜひ、よろしくお願いします〜✧

 それでは次作、第二幕【金平糖】でお会いしましょう☀
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