逃げた私を彼は掴んで離さない

はぁ、

あと、40分。長いなぁ

「ネェ、ゴメン」



「トイレイキタイ」

小声でコウが言った。

おいおいおい、


ん、もぉ~

「ああ、行ってらっしゃい」

席を立ってコウを出す。

最近の中で一番汗かいてる。きっと今


右から視線を感じる!とてつもなく!

「ねぇ、学部は?」

!?!

無視しようにも、この状況はできない…

「音響メディアです。」

顔は見ない。ちょっと下を見て、向いてるようで向いてないようにして。

「気まずい?」

「え」

突拍子もない質問に顔を上げてしまった

彼は3年前と変わらない笑みで私を捕まえた。
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