逃げた私を彼は掴んで離さない

アルバイトに学校。家に帰れば、お風呂に入って少ないご飯と拘束された窮屈な生活。


私が唯一、安心していられたのは学校、外の世界だけだった。

誰にも怒鳴られることも、殴られることもなく笑っていられる。

幸せな空間。



 だから浮かれていたんだ。


初めから分かっていたんだ。

あれ以来もう恋人をほしいなんて思わなくなった。

そんなものはあってもなくなるから。

その分泣くことになるから。




 もういらない






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