備えあれば憂いなし

第六話 2人の関係って

◯ ショッピングモール - 裏口

凛子は新しい仕事を終え、裏口から出てくる。
少し疲れた表情を浮かべながら、心の中で思う。

凛子（心の声）: 「ようやく仕事が見つかったけど、理不尽なことばかりで疲れる。結婚式場のキャンセル代も払わなきゃいけないし、我慢するしかないのか…。」

ふと、裏口付近に誰かが立っていることに気づく。
シン: 「よっす、凛子さん！」
その瞬間、凛子は驚く。

凛子（心の声）: 「よっすじゃないし、何で人が多いのに私の下の名前で呼ぶの！？恥ずかしい！」

シン: 「仕事お疲れ！今日はラーメン食べに行こう。」
彼女の心の中では、婚約破棄や雅司たちからのモラハラの影響で男性不審が続いているが、シンはグイグイとリードする。凛子は思わず戸惑いながらも、シンについて行く。

凛子（心の声）: 「年下からリードされるのは初めてだ。なんだか不思議な感じ。」

◯ ラーメン屋 - カウンター席

二人はラーメンを食べながら会話する。
凛子: 「新しい仕事は、思ったより大変なんだ。理不尽なことばかりで……。」
シン: 「でも、頑張ってるんだね。偉いよ。」
凛子は微笑みを返すが、心の中では過去のトラウマがちらつく。

凛子: 「雅司たちからのモラハラ、あの辛い日々を思い出す。もう二度と誰かを信じられないかも。彼だって今はこんな感じだけど付き合い長くなったらきっと……」
そんなことを凛子が思っているとはシンは気づかず、喋り続ける。

シン: 「まあ、頑張りすぎないでね。休むことも大事だから。」
凛子は心の中で少し温かい気持ちになる。

凛子（心の声）: 「シンは本当に優しい。少しずつ、心が和らいでいく。」

食事を終え、外に出る二人。
帰り際、凛子はシンの目を見つめながらドキドキしている。
凛子（心の声）: 「この後、どうなるんだろう。ただ年上の私を揶揄ってるだけなのかな。ほぼ毎日のように迎えにきてはご飯食べて帰って……」

◯ 凛子のアパート - 前

二人がアパートの前に立つ。いつもならここで別れる。

シン: 「このあと、用事ある？」
凛子（緊張しながら）: 「ん、特にないけど」
シン: 「部屋入って良い？　ここじゃなんだから。」
凛子: 「うん……。」
凛子はドキドキしながら扉を開ける。
その瞬間、シンが凛子を引き寄せ、キスをする。
久しぶりの男とのキスに驚き、息継ぎのタイミングが分からない。
凛子（心の声）: 「呼吸が上がってる。年下の男にキスされて、何でこんなにドキドキしてるんだろう？ しばらく恋は良いって思ってたのに。」

シンはずっと凛子の目を見つめている。
そしてまた、キスをしてきた。

◯ 次の日の朝。凛子のベッドの上。

凛子（心の声）: 「……してしまった！！！！！」