【改稿版】罰ゲームで私はウソの告白をされるそうです~モブ令嬢なのに初恋をこじらせているヤンデレ王子に溺愛されています~【電子書籍化進行中】
45 神殿に行こうかな……
ローレル殿下は、国王陛下になってから学園に来なくなった。
元から人脈づくりのためだけに通っていたので、一足先に卒業した扱いになっているそうだ。
毎日のように貴族の犯罪がローレル陛下によって暴かれていく。親が厳しい罰を受けた影響で学園に通えなくなる生徒も少なくなかった。
多くの貴族から恐れられるローレル陛下だったけど、平民の間では爆発的な人気を誇っているし、欲に溺れることなく過ごしていた少数の貴族たちからも大歓迎されている。
私の父や、ケイトのお父様も、ローレル陛下の政策に賛同する貴族だった。
だいぶ荒々しいけど、ローレル陛下のおかげで、この国は確実に良い方向に向かっている。
ギアム様は、ローレル陛下の徹底的な職場改善のおかげで、過酷な労働を強いられることがなくなり、結局、今でもローレル陛下の右腕として王宮騎士をしている。
弟のゼダ様は、変わらずシオンの護衛についているけど、卒業後はローレル陛下に仕えることになりそうだ。
*
あっと言う間に月日が過ぎて、ローレル陛下が在籍していた学年の卒業パーティーの当日になった。
国王陛下として参加していたローレル陛下は、卒業式の場で、今まで己が行ってきた悪事をすべて暴露。
呆然とする貴族の令息令嬢たちに、「私が完璧だと思っていると、あっと言う間にこの国は潰れるよ。せいぜい頑張って性格の悪い王を支えてね」と優しく微笑みかけた。
在校生の私とケイトもそのパーティーに参加していたので、ローレル陛下の暴露大会を聞きながらあきれていた。
まぁ、これでシオンの悪いウワサも綺麗になくなるわよね。
少し時間がかかってしまったけど、ローレル陛下は『シオンの名誉を回復する』という約束を守ってくれた。
もっと早くできたんだろうけど、あのローレル陛下のことだから、卒業パーティーで卒業生をどん底に落としてやったら面白そう、とか思っていそうだわ……。
私がそんなことを考えていると、ケイトがため息をついた。
「我が国の王は、とんでもないわね。でも、打ち出す政策はどれも完璧だし、周辺諸国ともとても良い関係を築いているって、私の父が褒めていたわ。ローレル陛下はやっぱりとても優秀なのね。それに、今のほうが前よりもずっと楽しそう」
「そうね。私の両親もローレル陛下の人間性はともかく、打ち出す政策はとても素晴らしいと褒めているわ」
混乱するパーティー会場の中で、シオンとゼダ様が近づいてきた。いつもの制服姿とは違い、正装をしているシオンに私の胸は激しくときめく。
「リナリア、そのドレスとっても似合っているよ」
シオンが贈ってくれた薄紫色のドレスは、シオンの瞳と同じ色だ。チラリとケイトを見ると、ゼダ様にドレスを褒められて、嬉しそうに頬を染めている。
なんだか、いろいろあったけど、きっとこれってハッピーエンドよね?
私がそう思っていると、騒ぎの元凶のローレル陛下がこちらに向かって歩いてきた。
「リナリア!」
嬉しそうに名前を呼ばれて気が滅入る。シオンも不機嫌さを隠そうともしない。
「ローレル、私の婚約者を馴れ馴れしく呼ぶな」
そう言ってもローレル陛下は少しも引く気はない。
「確かにリナリアはシオンの婚約者だけど、私にとっては、リナリアは初恋で真実の愛の相手なんだ。二人の婚姻は認めているんだから、名前くらい呼ばせろ。別に私はリナリアの愛がほしいわけじゃないんだから」
「嫌だ! それを言うなら、私だってリナリアが初恋で真実の愛の相手だ!」
いがみ合う二人を横目に、ケイトがボソッと呟いた。
「リナリアって……初恋をこじらせている男性に執着される呪いにでもかけられているの?」
「こ、怖いこと言うの、やめてよ⁉」
私が苦情を言うと、ローレル陛下が「執着じゃないよ、溺愛だよ」と訂正し、シオンも「そうだよ」と同意する。
こういうときだけは、意見が合うのよね……この二人。
ケイトはなんとも言えない顔をしている。
「分かりました。では、リナリアは初恋をこじらせている少し病んだ殿方たちに溺愛される呪……じゃなくて、祝福を得ているのですね……」
ケイトが私の耳元で「今度、一緒に神殿に行って浄化してもらう?」と言ったので、私は静かに頷いた。
おわり
***
【以下、あとがきと宣伝です】
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
「ここで終わり⁉」とツッコまれそうなのですが、これを最初に書いた2年前の私は、何を思ったかここで完結してしまっているのです…。すみません( ;∀;)
そして、この作品は電子書籍化が決まっていて、書き下ろし部分はWEBに掲載不可のため、ここで終わらせていただきますね。
この作品は、発売前にネットから削除されますので、「また読みたいなぁ」とか「もう少しつづきが読みたい」と思ってくださった方がいたら、今後、発売される予定の電子書籍を購入していただければと思います!
書き下ろしは、リナリアとシオンの結婚式や、その他のキャラのその後がチラッとだけ(本当にチラッとだけです・汗)分かるような内容になっております♪
発売日が決まり次第、小説を投稿している各サイトや私の「X(https://x.com/kurusu_mikan)」にてご連絡させていただきます。
あとですね、このお話はケイトが主人公のスピンオフ作品があります。
それはまた、電子書籍の発売日が決まってから、宣伝がてら別ページをつくって更新させていただこうと思います。
この作品の他にも書籍化やコミカライズしていただいているので、来須(くるす)みかんで検索してみてくださいね!!
そして明日、書籍『社交界の毒婦とよばれる私~素敵な辺境伯令息に腕を折られたので、責任とってもらいます~』の2巻が発売します♪
こちらもどうぞよろしくお願いします!
元から人脈づくりのためだけに通っていたので、一足先に卒業した扱いになっているそうだ。
毎日のように貴族の犯罪がローレル陛下によって暴かれていく。親が厳しい罰を受けた影響で学園に通えなくなる生徒も少なくなかった。
多くの貴族から恐れられるローレル陛下だったけど、平民の間では爆発的な人気を誇っているし、欲に溺れることなく過ごしていた少数の貴族たちからも大歓迎されている。
私の父や、ケイトのお父様も、ローレル陛下の政策に賛同する貴族だった。
だいぶ荒々しいけど、ローレル陛下のおかげで、この国は確実に良い方向に向かっている。
ギアム様は、ローレル陛下の徹底的な職場改善のおかげで、過酷な労働を強いられることがなくなり、結局、今でもローレル陛下の右腕として王宮騎士をしている。
弟のゼダ様は、変わらずシオンの護衛についているけど、卒業後はローレル陛下に仕えることになりそうだ。
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あっと言う間に月日が過ぎて、ローレル陛下が在籍していた学年の卒業パーティーの当日になった。
国王陛下として参加していたローレル陛下は、卒業式の場で、今まで己が行ってきた悪事をすべて暴露。
呆然とする貴族の令息令嬢たちに、「私が完璧だと思っていると、あっと言う間にこの国は潰れるよ。せいぜい頑張って性格の悪い王を支えてね」と優しく微笑みかけた。
在校生の私とケイトもそのパーティーに参加していたので、ローレル陛下の暴露大会を聞きながらあきれていた。
まぁ、これでシオンの悪いウワサも綺麗になくなるわよね。
少し時間がかかってしまったけど、ローレル陛下は『シオンの名誉を回復する』という約束を守ってくれた。
もっと早くできたんだろうけど、あのローレル陛下のことだから、卒業パーティーで卒業生をどん底に落としてやったら面白そう、とか思っていそうだわ……。
私がそんなことを考えていると、ケイトがため息をついた。
「我が国の王は、とんでもないわね。でも、打ち出す政策はどれも完璧だし、周辺諸国ともとても良い関係を築いているって、私の父が褒めていたわ。ローレル陛下はやっぱりとても優秀なのね。それに、今のほうが前よりもずっと楽しそう」
「そうね。私の両親もローレル陛下の人間性はともかく、打ち出す政策はとても素晴らしいと褒めているわ」
混乱するパーティー会場の中で、シオンとゼダ様が近づいてきた。いつもの制服姿とは違い、正装をしているシオンに私の胸は激しくときめく。
「リナリア、そのドレスとっても似合っているよ」
シオンが贈ってくれた薄紫色のドレスは、シオンの瞳と同じ色だ。チラリとケイトを見ると、ゼダ様にドレスを褒められて、嬉しそうに頬を染めている。
なんだか、いろいろあったけど、きっとこれってハッピーエンドよね?
私がそう思っていると、騒ぎの元凶のローレル陛下がこちらに向かって歩いてきた。
「リナリア!」
嬉しそうに名前を呼ばれて気が滅入る。シオンも不機嫌さを隠そうともしない。
「ローレル、私の婚約者を馴れ馴れしく呼ぶな」
そう言ってもローレル陛下は少しも引く気はない。
「確かにリナリアはシオンの婚約者だけど、私にとっては、リナリアは初恋で真実の愛の相手なんだ。二人の婚姻は認めているんだから、名前くらい呼ばせろ。別に私はリナリアの愛がほしいわけじゃないんだから」
「嫌だ! それを言うなら、私だってリナリアが初恋で真実の愛の相手だ!」
いがみ合う二人を横目に、ケイトがボソッと呟いた。
「リナリアって……初恋をこじらせている男性に執着される呪いにでもかけられているの?」
「こ、怖いこと言うの、やめてよ⁉」
私が苦情を言うと、ローレル陛下が「執着じゃないよ、溺愛だよ」と訂正し、シオンも「そうだよ」と同意する。
こういうときだけは、意見が合うのよね……この二人。
ケイトはなんとも言えない顔をしている。
「分かりました。では、リナリアは初恋をこじらせている少し病んだ殿方たちに溺愛される呪……じゃなくて、祝福を得ているのですね……」
ケイトが私の耳元で「今度、一緒に神殿に行って浄化してもらう?」と言ったので、私は静かに頷いた。
おわり
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【以下、あとがきと宣伝です】
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
「ここで終わり⁉」とツッコまれそうなのですが、これを最初に書いた2年前の私は、何を思ったかここで完結してしまっているのです…。すみません( ;∀;)
そして、この作品は電子書籍化が決まっていて、書き下ろし部分はWEBに掲載不可のため、ここで終わらせていただきますね。
この作品は、発売前にネットから削除されますので、「また読みたいなぁ」とか「もう少しつづきが読みたい」と思ってくださった方がいたら、今後、発売される予定の電子書籍を購入していただければと思います!
書き下ろしは、リナリアとシオンの結婚式や、その他のキャラのその後がチラッとだけ(本当にチラッとだけです・汗)分かるような内容になっております♪
発売日が決まり次第、小説を投稿している各サイトや私の「X(https://x.com/kurusu_mikan)」にてご連絡させていただきます。
あとですね、このお話はケイトが主人公のスピンオフ作品があります。
それはまた、電子書籍の発売日が決まってから、宣伝がてら別ページをつくって更新させていただこうと思います。
この作品の他にも書籍化やコミカライズしていただいているので、来須(くるす)みかんで検索してみてくださいね!!
そして明日、書籍『社交界の毒婦とよばれる私~素敵な辺境伯令息に腕を折られたので、責任とってもらいます~』の2巻が発売します♪
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