ヤンデレ王子様の甘くて重い歪んだ溺愛。
幼なじみの王子様の嫉妬
私には、かっこよくてなんでもできちゃう、キラキラした王子様のような幼なじみがいる。

一つ年上の、橘咲人くん。

橘財閥の御曹司で、私となんでこんなに関わりを持っているのかわからないぐらいすごい人だ。


……私は、そんな咲人くんことさくくんに、小学五年生の頃から片思いをしている。

そして、なんと……お互いの両親が単身赴任のため、1ヶ月間だけ一緒に同居することになってしまったのだ!


「……あ。おはよう、心」

「……?お、おはよう、さく、くん……」


目覚めるとそこには、この世のものとは思えないほど美しい彼のお顔が……!


「な、なんでいるの!?」

「えー?いいじゃん、小さい頃はこうやってよく寝てたし……」

「た、確かに……いや、でもっ……恥ずかしい、よ……」

「心、あんまり可愛い顔したらだめだよ?ってか通常からありえないぐらい可愛いくせに、可愛いこと言われるとほんと困る」


にっこり微笑みながら、淡々とそんなことを言ってくるさくくんに苦笑いすることしかできなかった。

小さい頃から、ずーっと私に過保護なんだから……。


「可愛いことなんか、言ってないよ……」

「言ってるよ。ふふっ、まぁ可愛いから許すけど」


大きくて綺麗なその手で、私の頭をポンポンと撫でてくれた。


「あ、ありがとう……?」

「ふふっ、うん。っていうか心また小さくなった?」

「さくくんが大きくなっただけだよ」


中学生の頃から身長が高めだったさくくん。だけど、高校生になってからぐんと背が伸びていた。

私も高い方ではないけれど、すごい小さいわけではないので間違いなくさくくんが大きいのだ。


正直なところ、スタイルのいいさくくんの隣を歩くのには、もう少し身長が欲しいけれど。


「……そろそろ朝ごはん、食べる?」

「うん!あ……」


時期は12月真っ只中。布団から出るこということは、氷になってしまうということを示している。


「私、まだ冬眠するんでお先にどうぞ!!」

「じゃあ心を朝ごはんにしちゃうよ?」

「え……食べられちゃうの、私」

「うん?」

「それはいや……!!起きます!」


プルプル震えながら布団を出ると、さくくんが自分の着ていた上着を貸してくれた。
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