ヤンデレ王子様の甘くて重い歪んだ溺愛。
「……どうなの、最近。橘先輩とは」
「うーん……よくわからなくて……好きなのに、さくくん過保護だから困っちゃう時もあって……」
「ふーん。さっさと付き合っちゃえばいいのに」
「え!まだ橘先輩と付き合ってないの!?」
ええー!?と驚きながら近づいてきた、スタイルのいいボブヘアの女の子は神崎杏奈ちゃんだ。
「つ、付き合ってなんかないよ……さくくんは、幼なじみとしてしか私のこと見てないし……」
ポカンとしながら私の方を見てくる2人。
ど、どうしたんだろ、変なこと言ったかな……。
「おはー!心たちっ!」
「あ!おはよう綾乃ちゃん!」
佐野綾乃ちゃん。とっても大人っぽくて、ばちばちに可愛い女の子だ。
「あ!ねーね。アタシ最近彼氏と別れたんだけどー。暇だから合コン行かない?近くの男子校の人と埋め合わせできてるからさー」
「ご、合コン……!?」
高校生でするものなんだ……!!
さくくんがだめっていうから恋愛映画とか全然観れなかったし、私が知らないことがいっぱいありそう……。
「興味あるでしょ?いこいこー!」
「ごめん私は彼氏いるからパス」
そう言った玲奈ちゃん。
うーん……さくくん怒るかなぁ。
でも、たまにはいっか。
「わ、私行きたい……!!」
「え、心マジ?うっれしー!こんな美少女3人いたら盛り上がるだろうなー!」
テンション高めにそういう綾乃ちゃん。
「あ、あははっ……」
私、美少女なんかじゃないけど……。
「よーし!じゃあ今日の放課後カラオケね!」
「了解!」
「わ、わかった……!!」
えへへっ……楽しみだなぁ。
お友達がいっぱいできるといいな。
その時だった。
ブーブーッとスマホがなり、スマホを開く。
あっ、さくくんからメールだ。
なんだろうと思いメールを開く。
【心。今日パフェ食べに行かない?放課後】
パフェ……!?
一瞬目がキラキラしてしまったような気がするけど、首を小さくふり我を取り戻す。
だ、だめだ……!またさくくんに餌付けされちゃう……!
今日はもう先客があるんだから……!
【ごめんね今日は行けないんだ】
そうメールを入れ、授業が始まった。