きみは永遠の小悪魔
幼なじみとのケンカなんて、今まで経験したことなかったから、次会ったときどうやって接すればいいのかわかんないよ。
「随分と大口叩きましたね」
後部座席で一人反省会をしながら項垂れる私に、彗がペットボトルを渡した。ゆらりと起き上がり受け取る。頬に当てると冷たくて気持ちいい。
「戻らなくていいんですか?あいつ、衝撃で立ち直れてないと思いますよ」
「ゔっ……」
「仕返しに来るかも。あーあ、どうしよう。お祖父様にクビにされたら、俺は路頭に迷いますね」
「雇い主は私なのでそんなことしません(正確にはお姉ちゃんなんだけど)」
お水を一口飲みながら「心臓に悪いなあ」なんて思うの。
例え、どんな場においても決定権のあるお祖父ちゃんが、クビにしろだとか、別の誰かに代えろだとか命令してきたって私は首を縦にしないもん。
「……ふーん」と、彗は相変わらずの無表情で言葉に影を落とした。
「ほんとのことなんで、庇ってくれなくて良かったのに」
「嫌だったの。いくら千景くんでも、許せないことは許せないよ。…彗の悪口言う人みんな嫌い」
彼のスーツの裾を弱々しく握った。
肝心なときに限って、大切にしたい言葉は上手く出てこないんだね。
「随分と大口叩きましたね」
後部座席で一人反省会をしながら項垂れる私に、彗がペットボトルを渡した。ゆらりと起き上がり受け取る。頬に当てると冷たくて気持ちいい。
「戻らなくていいんですか?あいつ、衝撃で立ち直れてないと思いますよ」
「ゔっ……」
「仕返しに来るかも。あーあ、どうしよう。お祖父様にクビにされたら、俺は路頭に迷いますね」
「雇い主は私なのでそんなことしません(正確にはお姉ちゃんなんだけど)」
お水を一口飲みながら「心臓に悪いなあ」なんて思うの。
例え、どんな場においても決定権のあるお祖父ちゃんが、クビにしろだとか、別の誰かに代えろだとか命令してきたって私は首を縦にしないもん。
「……ふーん」と、彗は相変わらずの無表情で言葉に影を落とした。
「ほんとのことなんで、庇ってくれなくて良かったのに」
「嫌だったの。いくら千景くんでも、許せないことは許せないよ。…彗の悪口言う人みんな嫌い」
彼のスーツの裾を弱々しく握った。
肝心なときに限って、大切にしたい言葉は上手く出てこないんだね。