きみは永遠の小悪魔
「お子様のくせに、今日は一段と生意気ですね」

「えっ?」

「あんた、いつから俺の過激派だったんですか」


髪をぐしゃと乱暴に撫でられた。


「かげ……(“過激”って言ったのかな)」

「なにも知らなくていいです」


彗だけが満足そうに笑みを深めてはぐらかす。
なんだそれ、ズルい。

『知らなくていい』そう言われると、余計に知りたくなるのが私なのです。ぶさいくに頬を膨らませて、機嫌の悪いフリを見せても彼には通用しない。

変わらない子ども扱いに、唇をきゅっとへの字に曲げた。運転席に行こうとする彗の腕を掴み、こちらへ寄せた。離さないって決めたの。


「…っ、うん。彗のこと好きだから、そうかもしれない」


夢に描いた告白シーンとは程遠くて、


「好きです」


二度も『好き』と言葉を紡いでしまった。それくらい緊張してるし、心臓がうるさいくらいに、ばくばくと音を立てるの。
うう…どうしよう。目も潤んできた。

今日はぜんぶ、お酒のせいにしちゃえ。
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