きみは永遠の小悪魔【完】
「あの、つかぬことをお聞きしますが」そう、一拍置いて尋ねてみる。
胸中で両手を合わせ、思い違いでありますようにと、優しい神様にお願いをした。


「私を部屋まで運んでくれたのって、」

もしかしなくても……

「水無瀬さんですよ」

「ふえっ?(おかしな声出ちゃった)」


パズルのピースを合わせるかのような回答に、じんわり熱が込み上がる。


「〜〜〜っ!」


やらかしてもーた…………。


「お嬢様、心配無用です。ちゃんと門限に間に合いましたよ」

「そうでしたか………」

「はいっ。さすが水無瀬さんです(お姫様抱っこで帰って来たことは、黙っておきますね)」

「……………」


酔っ払いの介抱+お着替えまでしてもらった可能性が高い20歳。

好きな人に、一番見せてはいけない女の子の姿を晒してしまったんだ。


目眩が押し寄せて、ふら〜っとベッドへ体を倒したの。もう一度、毛布を頭から被って隠れた。


飲めないお酒に酔って、寝落ちなんてするんじゃなかったです。
< 32 / 98 >

この作品をシェア

pagetop