きみは永遠の小悪魔【完】
男運が悪いと気づいたのは、18歳の夏。


信頼していた家庭教師から、ストーカーまがいの行為を受けたことにより、私の運命は翻弄されたんだ。

生まれたときから用意されていた、人生のレールを自ら踏み外し、志望校への受験を勝ち取ったばかりの頃に起きた事件。

清華(せいか)女子大学には行きません!」
と、遅れてきた反抗期をぶつけ、了承を得たものの、ストーカー事件により状況は一変する。

両親は、私の知らないところで、着々と事を進めようとしていたのだ。


「安全のためにも、清華女子大がいいんじゃないか。ふみの友人も多いし、おかしな奴もいないだろう」

「結婚も早めた方がいいかしら。大学を卒業してからと、あちらには伝えていたけど」


当時、私には幼なじみの婚約者がいた。

同い年の彼は、学年のド一軍で、口が悪くて、女子に塩対応する怖い男の子。顔はピカイチに綺麗なのが悔しい。

私は子どもの頃から、彼に意地悪を言われていたので、大人になった今でも顔を合わせると、苦手意識が勝ってしまい、上手く喋れないのです。

“嫌い”ではなく“苦手”

ド一軍、塩対応、怖い、口が悪い
まるで、ハッピーセットを詰め合わせたような人と結婚……。

お互い恋愛感情はゼロなのに、この結婚に意味があるのかな、と逃げ場もなく困っていたところ、タイミングを見計らったかのように、婚約破棄を投げつけられた。


———ふみ、だるいから婚約破棄しろや


“だるい”の、一言がインパクト強すぎるのだけど彼のおかげで結婚は白紙となった。残る進学問題についても、


———大学行きたいんでしょ?お姉ちゃんが何とかしてあげる


お姉ちゃんが救世主となってくれたのです。
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