きみは永遠の小悪魔【完】
うん、と唇の端をきゅっと閉じて頷いた。嬉しさの欠片を心のポケットに隠した。
彗は私を甘やかすのが上手だ。
私は彗に甘えるのが好きです。
だけど、私だって彗を甘やかしたいし、
———…たくさん甘えてほしい。
それから私たちは、お互いが今までどんな風に過ごしてきたのか、出逢う前の時間を埋めるみたいに他愛のない話をしたの。
私は、子どもの頃からお風呂上がりに食べるアイスが幸せ。服はお母さんやお姉ちゃんが私に似合う物を選んでくれるんだ。二人が言うには、私のセンスはほんの少し残念なんだって。出掛ける前は、ミント系の匂いがするハンドクリームをつけるのが日課。
彗の爽やかなシトラスの香りも好き。
彗は一人暮らしが長くて、彼のお友達曰く料理が上手らしい。自分では人並みだと思ってる。子どもの頃は医者になりたくて勉強を頑張ってた。
4歳上の総合商社で働いてるお兄さんは近々入籍する。
初めてピアスを開けたのは高一のとき。左右に一つずつ。最近はヘリックスを開けた。
「好きになったのは、ふみが初めてだよ」
会話の途中、ふと紡がれた言葉に、ことこと鼓動が早まる。胸がきゅうっと甘く、優しく疼いた。
うっすらと瞳を伏せた彗の睫毛に、暖色の照明から落ちる眩しい光の粒が集まって。まるで、宝石のようで息をのむほど見惚れたの。
「私も、初めて好きになったのは彗だよ」
どうしよう。
彗への『好き』は毎日大きくなるばかりで。
今日も好きが積み重なった。
彗は私を甘やかすのが上手だ。
私は彗に甘えるのが好きです。
だけど、私だって彗を甘やかしたいし、
———…たくさん甘えてほしい。
それから私たちは、お互いが今までどんな風に過ごしてきたのか、出逢う前の時間を埋めるみたいに他愛のない話をしたの。
私は、子どもの頃からお風呂上がりに食べるアイスが幸せ。服はお母さんやお姉ちゃんが私に似合う物を選んでくれるんだ。二人が言うには、私のセンスはほんの少し残念なんだって。出掛ける前は、ミント系の匂いがするハンドクリームをつけるのが日課。
彗の爽やかなシトラスの香りも好き。
彗は一人暮らしが長くて、彼のお友達曰く料理が上手らしい。自分では人並みだと思ってる。子どもの頃は医者になりたくて勉強を頑張ってた。
4歳上の総合商社で働いてるお兄さんは近々入籍する。
初めてピアスを開けたのは高一のとき。左右に一つずつ。最近はヘリックスを開けた。
「好きになったのは、ふみが初めてだよ」
会話の途中、ふと紡がれた言葉に、ことこと鼓動が早まる。胸がきゅうっと甘く、優しく疼いた。
うっすらと瞳を伏せた彗の睫毛に、暖色の照明から落ちる眩しい光の粒が集まって。まるで、宝石のようで息をのむほど見惚れたの。
「私も、初めて好きになったのは彗だよ」
どうしよう。
彗への『好き』は毎日大きくなるばかりで。
今日も好きが積み重なった。