きみは永遠の小悪魔【完】
マフラーに隠れた口元は、きゅっと結んだまま、言いかけた言葉をのみこんだ。近づく足音が耳の先を掠める。
「ふみ、幸せ?」
千景くんからの質問に頷くと、一拍置いて言葉が戻ってきた。
「幸せじゃないなら、奪おうかと思った」
「すごく幸せだよ」
「ふざけんなや」
いつもの悪戯な表情は見せず、唇に寂しげな笑みを残して、私の顔を持ち上げた。「ひゃっ」と、小さく驚いた声が足元を目掛けて転がる。
「お前のことが好きだよ。今も、これからもずっと」
千景くんが私のことを好き———…?そんなことってあるの?
これじゃ、まるで……。ううん、自意識過剰に違いないよ。
頭の中で整理が追いつかなくて、ぱち、と遅れて瞬きをした。
「もう一度言おうか?俺が、ふみのこと好きだって」
「!」
「……わかった?」
『告白されたみたい』じゃなくて、告白されたんだ。やっぱり、そういうことだよね。
「わっ、私……」と言いかけて伏せた瞳を千景くんに預けたの。答えは決まってるのに、言葉にしようとすれば声が震える。
「彗のことが好きなんだ。千景くんの気持ちに応えること、できません。ごめんなさい」
「ん。知ってる」
真っ直ぐ、二人で向き合った。
「あーあ。死んでも言わないつもりだったのに」
「ふみ、幸せ?」
千景くんからの質問に頷くと、一拍置いて言葉が戻ってきた。
「幸せじゃないなら、奪おうかと思った」
「すごく幸せだよ」
「ふざけんなや」
いつもの悪戯な表情は見せず、唇に寂しげな笑みを残して、私の顔を持ち上げた。「ひゃっ」と、小さく驚いた声が足元を目掛けて転がる。
「お前のことが好きだよ。今も、これからもずっと」
千景くんが私のことを好き———…?そんなことってあるの?
これじゃ、まるで……。ううん、自意識過剰に違いないよ。
頭の中で整理が追いつかなくて、ぱち、と遅れて瞬きをした。
「もう一度言おうか?俺が、ふみのこと好きだって」
「!」
「……わかった?」
『告白されたみたい』じゃなくて、告白されたんだ。やっぱり、そういうことだよね。
「わっ、私……」と言いかけて伏せた瞳を千景くんに預けたの。答えは決まってるのに、言葉にしようとすれば声が震える。
「彗のことが好きなんだ。千景くんの気持ちに応えること、できません。ごめんなさい」
「ん。知ってる」
真っ直ぐ、二人で向き合った。
「あーあ。死んでも言わないつもりだったのに」