きみは永遠の小悪魔【完】
きみは永遠の小悪魔
彼女の好きなところ、眉尻を優しく垂らして柔らかく笑う顔、甘いバニラの香り、一生懸命がたまに空回りしてしまう愛らしさ。
それから、いつも俺のこと考えてるのも可愛いなと思う。
□
『もっ、もしもし!ふみです』
耳に当てたスマホから、語尾が跳ね上がった声を拾う。『どうしたの?』と尋ねる言葉には、少し驚いたような、でも嬉しそうな色が含まれているのを感じる。
風呂上がりの濡れた前髪を掻いた。
「そろそろ、寂しがってると思って」
『わっ。バレてる』
冗談で言ったつもりが、素直な反応を一拍も置かずに返されると、三時間前に離れたばかりなのにもう会いたくなる。
「声、聞きたくて電話したんですけど」と、冷静を保ちながら本心を零した。
「悪い。……寝てた?」
『ちゃんと起きてます』
甘やかに微睡んだ声が寝起きに似ていたので、歯切れ悪く尋ねると、拗ねられてしまった。
———ふかふかの毛布の中にいたら寝ちゃうから、正座していろいろ考え事してたの
『それにね、私も彗の声、聞きたいなって思ってたんだ』
思わず、口元が緩んだ。
『ご飯食べて、お風呂入って、動画見てたでしょ?』
胸を張るふみが想像できた。
それから、いつも俺のこと考えてるのも可愛いなと思う。
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『もっ、もしもし!ふみです』
耳に当てたスマホから、語尾が跳ね上がった声を拾う。『どうしたの?』と尋ねる言葉には、少し驚いたような、でも嬉しそうな色が含まれているのを感じる。
風呂上がりの濡れた前髪を掻いた。
「そろそろ、寂しがってると思って」
『わっ。バレてる』
冗談で言ったつもりが、素直な反応を一拍も置かずに返されると、三時間前に離れたばかりなのにもう会いたくなる。
「声、聞きたくて電話したんですけど」と、冷静を保ちながら本心を零した。
「悪い。……寝てた?」
『ちゃんと起きてます』
甘やかに微睡んだ声が寝起きに似ていたので、歯切れ悪く尋ねると、拗ねられてしまった。
———ふかふかの毛布の中にいたら寝ちゃうから、正座していろいろ考え事してたの
『それにね、私も彗の声、聞きたいなって思ってたんだ』
思わず、口元が緩んだ。
『ご飯食べて、お風呂入って、動画見てたでしょ?』
胸を張るふみが想像できた。