きみは永遠の小悪魔【完】
翌日、学生時代のサークルの集まりで、居酒屋に来た。

騒がしい席から離れた場所で胡座をかいてる友人の隣に、腰を下ろした。片手にジャッキを持っており、顔が程よく朱色に染まってる。


「煙草くんね」

「彗、吸うん?」

「高2でやめた」

「お前なぁ」


そう笑いながら煙草を渡された。火を点けて咥える。久しぶりの苦い味に喉が締まる。


「浮ついた話しないの?1本吸い終わるまでなら聞いてやるよ」


ひとつ吸ってから煙草を離した。「あー…」と、目を伏せ、ふみのことが脳裏に浮かぶ。


「彼女できた」

「前、言ってた子?」

「ん」


彼が口にした“前”は、一年前のことになる。多分、そのくらいだ。

あの日は酔いが回っていて、自分から「浮ついた相談していい?」と切り出した記憶がある。
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