きみは永遠の小悪魔【完】
「女の敵だった奴に、ついに彼女できたのな。おめでと」
ジョッキ半分を占める氷が崩れた。ちら、とこちらに目配せをする友人の目尻が僅かに下がる。
「ん。ありがと」
「つか、大学卒業するまで、手出ささないって言ってたのに、結局"待て"できてねーじゃん」
痛いところを突かれたので参ってしまった。
……思い返せば、顔を真っ赤にしながら煙草片手に、そんなことを言ってたな。
酔いが覚めた後、何物分かりの良い男みたいなこと言ってんだって、苦笑いしたところまで覚えてる。
「俺の方がハマってんからいいの」
「そうかそうかー(めっちゃデレてんじゃん)」
「他のやつには言うなよ。発狂するから」意味のわからないことを続けられた。とりあえず、黙って頷く。
テーブルの上でスマホが鳴った。
手に取ったディスプレイに表示されたのは《ふみ》の二文字。「悪い、席外すな」と立ち上がる。
まだ煙草を吸っている友人に「彗、二次会どうする?」そう尋ねられたので「パス」とだけ答えて店の外に出た。
ジョッキ半分を占める氷が崩れた。ちら、とこちらに目配せをする友人の目尻が僅かに下がる。
「ん。ありがと」
「つか、大学卒業するまで、手出ささないって言ってたのに、結局"待て"できてねーじゃん」
痛いところを突かれたので参ってしまった。
……思い返せば、顔を真っ赤にしながら煙草片手に、そんなことを言ってたな。
酔いが覚めた後、何物分かりの良い男みたいなこと言ってんだって、苦笑いしたところまで覚えてる。
「俺の方がハマってんからいいの」
「そうかそうかー(めっちゃデレてんじゃん)」
「他のやつには言うなよ。発狂するから」意味のわからないことを続けられた。とりあえず、黙って頷く。
テーブルの上でスマホが鳴った。
手に取ったディスプレイに表示されたのは《ふみ》の二文字。「悪い、席外すな」と立ち上がる。
まだ煙草を吸っている友人に「彗、二次会どうする?」そう尋ねられたので「パス」とだけ答えて店の外に出た。