はじめての恋はキミがいい!(マンガシナリオ)
1話
○駅のホーム〜電車の車内(朝)
ホームの先頭で一ノ瀬紬が電車を待つ。
前髪は目が隠れる長さ、セミロングの黒髪で顔を隠すように俯き、フレームメガネをかけたTHE陰キャな雰囲気。
マスクもつけているため、ほとんど顔が分からない。
紬のモノローグ【私、一ノ瀬紬15歳、高校1年生。紬なんて可愛い名前をつけてもらったのに、完全に見た目が名前負けしてます。お父さん、お母さんごめんなさいっ!】
電車が到着。
紬が中に乗り込むと、紬と同じ制服を着た男子高校生(高3)が、開いた扉付近に立っている。
車内に乗り込む時に、紬の前髪の隙間から目が合った2人は軽く会釈。
そのまま紬は奥まで進み、反対側の扉付近に立つ。
紬のモノローグ【今日もカッコいい!】
紬はずっとその男子高校生に見惚れる。
男子高校生は黒髪の爽やかイケメンで、耳にワイヤレスイヤホンを付け、英単語帳を見ている。
単語帳の下の方に『鈴木冬哉』と記名あり。
紬のモノローグ【ちゃんと名前書いてるところ、ちょっと可愛くて好き】
冬哉がイヤホンの位置を調整する。
紬のモノローグ【イヤホンを直す仕草が、好き】
紬がずっと見ていると、ふと顔を上げた冬哉と目が合う。
冬哉がぎこちなく、でも優しく微笑む。
紬のモノローグ【たまに目が合った時の、恥ずかしそうな優しい笑顔が好き】
紬、下を向き、マスクの下で頬を赤らめてニヤける。
○駅・ホーム(朝)
電車が駅に到着し、冬哉が降りる。
紬も後を追って降りる。
紬のモノローグ【入学式から早1週間。友達のいない私は、鈴木先輩を見ることだけを楽しみに登校していると言っても間違いじゃない】
○駅・改札(朝)
改札の前で単語帳を見ながら誰かを待つ冬哉。
それを柱の影から紬が見つめる。
千夏「冬哉お待たせっ!」
三浦千夏(高3)がニコニコしながら現れる。
毛先に緩くカールがかかり、透き通るような白い肌に長いまつ毛とピンクのリップが映える。
冬哉「おはよ、千夏」
冬哉はイヤホンを耳から外す。
千夏「おはよ。行こ!」
手こそ繋いでいないが、仲良く歩き出す冬哉と千夏。
○通学路(朝)
問題を出し合いながら歩く冬哉と千夏。
紬は距離をとって後ろを歩きながら、2人の様子を幸せそうに見つめる。
紬のモノローグ【ああいうのをお似合いカップルって言うんだろうな〜】
紬のさらに後ろを銀髪の男子高校生が歩く。
顔はまだ分からない。
○高校・教室(朝)
生徒たちが次々に教室に入って来て友達と会話する中、紬は窓際の席で一人読書をしている。
郁也「はよー」
と、鈴木郁也(高2)が入ってくる。
やや長めの銀髪の髪、両耳にはピアスをつけてモデルのような風貌。
顔立ちは女性に間違われそうなほど美形。
紬とは対照的に、郁也の周りには男女問わずクラスメイトが寄ってくる。
女子1「ねぇ今日放課後遊びにいこって言ってたの覚えてる?」
郁也「悪い。今日ちょっと用事入りそうで」
女子1「えぇ!信じらんない!」
女子2「(目を細めて)どうせ女の子でしょ?」
郁也「どうかな」
と、笑って誤魔化す。
女子1「ムカつくけどカッコいいから許す!」
郁也「(笑顔で)今度絶対時間作るから」
と、読書をしている紬の方を横目で見る。
○高校・カフェテリア(昼休み)
生徒たちで賑わう。
紬がトレーを持って席に座ろうとすると、目線の先に楽しそうにお昼を食べる冬哉と千夏。
紬のモノローグ【恋なんて、私には似合わない。私は見てるだけで十分】
紬はほっこりした表情で黙々と食べ進める。
離れた席で斉藤亮太とお昼を食べている郁也は、紬の方を見ている。
亮太「あれって郁也の兄貴だよな」
郁也「ん?あー。そうだけど」
亮太「隣の美女は?もしかして彼女?」
郁也「違う。ただの幼馴染」
亮太「(ニヤニヤしながら)ふーん。で、俺の親友はさっきから誰を見てるんだよ」
郁也「別に〜」
○高校・廊下
掲示板に中間テストの上位数名の氏名と得点が張り出され、生徒たちが集まる。
1位には全科目満点の一ノ瀬紬の名前。
男子1「すげぇ満点だって」
男子2「天才かよ」
女子1「一ノ瀬さんっていつも本読んでる子だっけ?」
女子2「頭良さそうだもんね」
紬も掲示の前の集団の中にいるが、誰も気づいていない。
紬は気づかれる前にその場を離れる。
同じく掲示板を見ていた郁也は、
郁也「これだ!」
と、ひらめく。
亮太「どれだよ」
と、ツッコむ。
○高校・図書室(放課後)
紬が図書館に入ると、冬哉と千夏が2人並んで自習をしている。
紬は2人がギリギリ見える位置にそっと座って自習を始める。
そこへ郁也が来て、紬の斜め前に座る。
紬のモノローグ【うわ……綺麗な男の子……】
顔を上げたら郁也と目が合ってしまうため、自習に集中する。
郁也「一ノ瀬さん」
紬はピクリと反応するが、自分ではないと思って自習を続ける。
郁也「シカトすんなよー」
紬はまさかと思い左右を見るが、近くには誰も座っていない。
紬のモノローグ【え、私⁉︎】
郁也「俺同じクラスの鈴木郁也。分かる?」
紬「(小声で)お、お名前は聞いたこと……あります……」
郁也「やっぱ覚えてねーか」
と、笑う。
紬「?」
司書が咳払いをしてギロリと紬たちを睨む。
紬「(慌てて)あの、図書室なのでもう少し声のトーンを……」
郁也「(素直に)あ、悪い」
紬は再び勉強に戻るが、郁也からの視線を感じておそるおそる顔を上げる。
郁也がじっと紬を見ていて、気まずい紬。
郁也「ちょっと耳貸して」
と、手招きする。
紬は戸惑う。
郁也「いーから!」
紬が仕方なく体を乗り出して郁也に耳を向ける。
郁也「(耳元で)あそこにいる3年の鈴木冬哉のこと、好きなんだろ?」
紬、目を見開く。
紬のモノローグ【バ、バレたぁーーーっ⁉︎】
ホームの先頭で一ノ瀬紬が電車を待つ。
前髪は目が隠れる長さ、セミロングの黒髪で顔を隠すように俯き、フレームメガネをかけたTHE陰キャな雰囲気。
マスクもつけているため、ほとんど顔が分からない。
紬のモノローグ【私、一ノ瀬紬15歳、高校1年生。紬なんて可愛い名前をつけてもらったのに、完全に見た目が名前負けしてます。お父さん、お母さんごめんなさいっ!】
電車が到着。
紬が中に乗り込むと、紬と同じ制服を着た男子高校生(高3)が、開いた扉付近に立っている。
車内に乗り込む時に、紬の前髪の隙間から目が合った2人は軽く会釈。
そのまま紬は奥まで進み、反対側の扉付近に立つ。
紬のモノローグ【今日もカッコいい!】
紬はずっとその男子高校生に見惚れる。
男子高校生は黒髪の爽やかイケメンで、耳にワイヤレスイヤホンを付け、英単語帳を見ている。
単語帳の下の方に『鈴木冬哉』と記名あり。
紬のモノローグ【ちゃんと名前書いてるところ、ちょっと可愛くて好き】
冬哉がイヤホンの位置を調整する。
紬のモノローグ【イヤホンを直す仕草が、好き】
紬がずっと見ていると、ふと顔を上げた冬哉と目が合う。
冬哉がぎこちなく、でも優しく微笑む。
紬のモノローグ【たまに目が合った時の、恥ずかしそうな優しい笑顔が好き】
紬、下を向き、マスクの下で頬を赤らめてニヤける。
○駅・ホーム(朝)
電車が駅に到着し、冬哉が降りる。
紬も後を追って降りる。
紬のモノローグ【入学式から早1週間。友達のいない私は、鈴木先輩を見ることだけを楽しみに登校していると言っても間違いじゃない】
○駅・改札(朝)
改札の前で単語帳を見ながら誰かを待つ冬哉。
それを柱の影から紬が見つめる。
千夏「冬哉お待たせっ!」
三浦千夏(高3)がニコニコしながら現れる。
毛先に緩くカールがかかり、透き通るような白い肌に長いまつ毛とピンクのリップが映える。
冬哉「おはよ、千夏」
冬哉はイヤホンを耳から外す。
千夏「おはよ。行こ!」
手こそ繋いでいないが、仲良く歩き出す冬哉と千夏。
○通学路(朝)
問題を出し合いながら歩く冬哉と千夏。
紬は距離をとって後ろを歩きながら、2人の様子を幸せそうに見つめる。
紬のモノローグ【ああいうのをお似合いカップルって言うんだろうな〜】
紬のさらに後ろを銀髪の男子高校生が歩く。
顔はまだ分からない。
○高校・教室(朝)
生徒たちが次々に教室に入って来て友達と会話する中、紬は窓際の席で一人読書をしている。
郁也「はよー」
と、鈴木郁也(高2)が入ってくる。
やや長めの銀髪の髪、両耳にはピアスをつけてモデルのような風貌。
顔立ちは女性に間違われそうなほど美形。
紬とは対照的に、郁也の周りには男女問わずクラスメイトが寄ってくる。
女子1「ねぇ今日放課後遊びにいこって言ってたの覚えてる?」
郁也「悪い。今日ちょっと用事入りそうで」
女子1「えぇ!信じらんない!」
女子2「(目を細めて)どうせ女の子でしょ?」
郁也「どうかな」
と、笑って誤魔化す。
女子1「ムカつくけどカッコいいから許す!」
郁也「(笑顔で)今度絶対時間作るから」
と、読書をしている紬の方を横目で見る。
○高校・カフェテリア(昼休み)
生徒たちで賑わう。
紬がトレーを持って席に座ろうとすると、目線の先に楽しそうにお昼を食べる冬哉と千夏。
紬のモノローグ【恋なんて、私には似合わない。私は見てるだけで十分】
紬はほっこりした表情で黙々と食べ進める。
離れた席で斉藤亮太とお昼を食べている郁也は、紬の方を見ている。
亮太「あれって郁也の兄貴だよな」
郁也「ん?あー。そうだけど」
亮太「隣の美女は?もしかして彼女?」
郁也「違う。ただの幼馴染」
亮太「(ニヤニヤしながら)ふーん。で、俺の親友はさっきから誰を見てるんだよ」
郁也「別に〜」
○高校・廊下
掲示板に中間テストの上位数名の氏名と得点が張り出され、生徒たちが集まる。
1位には全科目満点の一ノ瀬紬の名前。
男子1「すげぇ満点だって」
男子2「天才かよ」
女子1「一ノ瀬さんっていつも本読んでる子だっけ?」
女子2「頭良さそうだもんね」
紬も掲示の前の集団の中にいるが、誰も気づいていない。
紬は気づかれる前にその場を離れる。
同じく掲示板を見ていた郁也は、
郁也「これだ!」
と、ひらめく。
亮太「どれだよ」
と、ツッコむ。
○高校・図書室(放課後)
紬が図書館に入ると、冬哉と千夏が2人並んで自習をしている。
紬は2人がギリギリ見える位置にそっと座って自習を始める。
そこへ郁也が来て、紬の斜め前に座る。
紬のモノローグ【うわ……綺麗な男の子……】
顔を上げたら郁也と目が合ってしまうため、自習に集中する。
郁也「一ノ瀬さん」
紬はピクリと反応するが、自分ではないと思って自習を続ける。
郁也「シカトすんなよー」
紬はまさかと思い左右を見るが、近くには誰も座っていない。
紬のモノローグ【え、私⁉︎】
郁也「俺同じクラスの鈴木郁也。分かる?」
紬「(小声で)お、お名前は聞いたこと……あります……」
郁也「やっぱ覚えてねーか」
と、笑う。
紬「?」
司書が咳払いをしてギロリと紬たちを睨む。
紬「(慌てて)あの、図書室なのでもう少し声のトーンを……」
郁也「(素直に)あ、悪い」
紬は再び勉強に戻るが、郁也からの視線を感じておそるおそる顔を上げる。
郁也がじっと紬を見ていて、気まずい紬。
郁也「ちょっと耳貸して」
と、手招きする。
紬は戸惑う。
郁也「いーから!」
紬が仕方なく体を乗り出して郁也に耳を向ける。
郁也「(耳元で)あそこにいる3年の鈴木冬哉のこと、好きなんだろ?」
紬、目を見開く。
紬のモノローグ【バ、バレたぁーーーっ⁉︎】