はじめての恋はキミがいい!(マンガシナリオ)
2話
○高校・図書室(放課後)
1話の続き。
郁也「(耳元で) あそこにいる3年の鈴木冬哉のこと、好きなんだろ?」
紬が目を見開く。
紬のモノローグ【バ、バレたぁーーーっ⁉︎】
紬「(大きな声で)な、ななんでそんなこと!!!」
図書室内にいた全員が一斉に紬を見る。
もちろんその中には冬哉もいて、紬は真っ赤になり縮こまって座る。
郁也「(小声で)ダメじゃん図書室では静かにしなきゃ」
と、爆笑。
紬は恥ずかしくて言葉を失う。
紬のモノローグ【最悪だ……よりによって一番知られたくないタイプの人に……ていうかなんで気づかれたの⁉︎】
郁也「アイツ、俺の兄貴なんだ」
紬「えっ⁉︎」
郁也「だからなんでも知ってるし、協力してやれるよ!」
紬は話が見えず、理解が追いつかない。
紬「協力……?」
郁也「その代わり、俺に勉強教えてほしいんだ」
紬、きょとんとして首を傾げる。
郁也「つまり、俺は紬の恋が叶うように手伝う、そんで紬は俺に勉強を教える。そういう契約!どう?」
マスク越しに紬はドキッとした表情。
紬のモノローグ【……男の子に名前呼ばれたの、いつぶりだろ……って、そうじゃなくて!!】
郁也「あ、ごめん。紬って呼んでもい?」
紬「名前はいいんですけど……でもごめんなさい!さようなら!」
紬は広げていた自習道具を一瞬で鞄に仕舞い、瞬く間に図書室を後にする。
○高校・教室(翌朝)
紬が教室の入り口から中の様子を伺う。
紬のモノローグ【よし、いない!】
紬が安心して自分の席に着く。
郁也「紬、おはよ!」
郁也が紬の肩に手を回してくる。
紬「ひゃっ⁉︎」
っと飛び上がる。
郁也「(口を尖らせて)昨日なんで急に帰ったんだよ」
郁也が紬に話しかけていることにクラスメイトがザワザワし出す。
それを気にする紬。
紬「(小声で)あの、みんな見てるので……」
郁也「紬にも悪くない話だったろ?な!」
郁也は気にせず続ける。
郁也が話しかけている途中で立ち上がる紬。
紬「すみませんが他を当たってください!」
と、頭を下げて逃げる。
○校内・図書室(昼休み)
紬のモノローグ【ここならきっと見つからないよね】
紬が周りを確認してひと息つく。
本棚の間を歩きながら何を読もうか考える。
本棚の一番上の本を取ろうと手を伸ばすが届かない。
持って来た台に乗って本を取ろうとする。
郁也「やっぱここにいた!」
と、郁也がやってくる。
紬のモノローグ【うそ、なんで⁉︎】
驚いた紬が、台の上で体勢を崩す。
郁也「危なっ!」
郁也が下敷きになり、全身で紬を受け止める。
紬が郁也を押し倒したような体勢で、2人の顔が至近距離にある。
倒れた時にメガネもマスクも外れ、さらに前髪も乱れているため、いつも隠れていた紬の素顔が露わになる。
童顔で、クリっとした大きな瞳が特徴的。
子犬のような愛らしさがある。
紬「すみません!!」
紬が慌てて郁也の上からどく。
慌てて避けた反動で紬は全然違う方向を向くが、メガネがないせいでほとんど何も見えていない。
紬「(棚に向かって)大丈夫でしたか⁉︎」
郁也「(笑いながら)俺はこっちね、こっち!」
と、紬を自分の方に向かせる。
紬が声の方を向いて
紬「すみません!あーーメガネメガネ」
と、手探りでメガネを探す。
郁也「待って、今とるから」
郁也は床に落ちている紬のメガネを拾い、紬にかける。
乱れた紬の前髪をサイドに流すように整えながら、
郁也「初めて紬と目合った」
くしゃっとした笑顔の郁也にドキッとする紬。
しかしすぐに我に返る。
郁也と距離をとり、マスクをつけ、前髪をいつものように前に下ろす。
郁也「どうしてもダメ?昨日の話」
紬「……勉強の件は、分かりました。私にできることならお手伝いします。でも、私のことはお構いなく……私はただ憧れてるだけなんです!納豆女の私が恋なんて、そんな恐れ多くて……」
郁也「納豆女?何それ?」
紬「それは……」
○(紬の回想)小学校・教室
紬のモノローグ【昔から自分の丸い顔が大嫌いだった。あのアンパンのキャラクターにも負けないほど立派な私のほっぺは、笑うと大きなたこ焼きが2つ作れてしまう。お父さんとお母さんはそれが可愛いんだと言ってくれたけど、クラスの子はそうは思わなかったみたい】
小学校中学年の紬、綺麗に切り揃えられた前髪に、ショートボブの髪型。
子供らしくて可愛いが、今よりも頬がふっくらとしていて顔が丸く見える。
男子「一ノ瀬ってほんと顔丸いよな!」
男子「納豆のパックの白いおばさんみたい!」
男子「じゃあお前、今日から納豆女な!」
男子「納豆に呪われた納豆女ー!」
担任「コラ!どうしてそんな酷いこと言うの!こっち来なさい!」
と、男子たちを叱る。
紬の目には涙が滲んでいて、こぼれないようにギュッと服の裾を握りしめる。
(紬の回想終わり)
○高校・図書室(昼休み)
紬が昔のことについて話し終える。
紬「言ってきたのは本当に一部の子だけで、いじめられてたとかではないんです……でもあれからずっと納豆女のことが頭から離れなくて……本当に私、呪われてるのかも」
必死に明るく振る舞おうとする紬を見て、怒りが込み上げる郁也。
郁也「許せねぇ……」
と、拳を握りしめる。
紬のモノローグ【なんか、怒ってる?】
郁也「知ってた?人のことバカにするやつは、口臭くなるらしいよ」
と、ニカッと笑う。
紬「それ、お父さんもよく言ってた……」
郁也「俺も昔ある人から教えてもらったんだ」
紬「そうなんですね」
郁也「大丈夫。そんな呪い、絶対俺が解いてやるから!」
と、手を出す。
紬のモノローグ【この時、なぜか私は鈴木くんの言葉にとても救われて、彼を信じてみたくなった】
紬は小さく笑って、郁也の手を握る。
郁也「取引成立だな!」
1話の続き。
郁也「(耳元で) あそこにいる3年の鈴木冬哉のこと、好きなんだろ?」
紬が目を見開く。
紬のモノローグ【バ、バレたぁーーーっ⁉︎】
紬「(大きな声で)な、ななんでそんなこと!!!」
図書室内にいた全員が一斉に紬を見る。
もちろんその中には冬哉もいて、紬は真っ赤になり縮こまって座る。
郁也「(小声で)ダメじゃん図書室では静かにしなきゃ」
と、爆笑。
紬は恥ずかしくて言葉を失う。
紬のモノローグ【最悪だ……よりによって一番知られたくないタイプの人に……ていうかなんで気づかれたの⁉︎】
郁也「アイツ、俺の兄貴なんだ」
紬「えっ⁉︎」
郁也「だからなんでも知ってるし、協力してやれるよ!」
紬は話が見えず、理解が追いつかない。
紬「協力……?」
郁也「その代わり、俺に勉強教えてほしいんだ」
紬、きょとんとして首を傾げる。
郁也「つまり、俺は紬の恋が叶うように手伝う、そんで紬は俺に勉強を教える。そういう契約!どう?」
マスク越しに紬はドキッとした表情。
紬のモノローグ【……男の子に名前呼ばれたの、いつぶりだろ……って、そうじゃなくて!!】
郁也「あ、ごめん。紬って呼んでもい?」
紬「名前はいいんですけど……でもごめんなさい!さようなら!」
紬は広げていた自習道具を一瞬で鞄に仕舞い、瞬く間に図書室を後にする。
○高校・教室(翌朝)
紬が教室の入り口から中の様子を伺う。
紬のモノローグ【よし、いない!】
紬が安心して自分の席に着く。
郁也「紬、おはよ!」
郁也が紬の肩に手を回してくる。
紬「ひゃっ⁉︎」
っと飛び上がる。
郁也「(口を尖らせて)昨日なんで急に帰ったんだよ」
郁也が紬に話しかけていることにクラスメイトがザワザワし出す。
それを気にする紬。
紬「(小声で)あの、みんな見てるので……」
郁也「紬にも悪くない話だったろ?な!」
郁也は気にせず続ける。
郁也が話しかけている途中で立ち上がる紬。
紬「すみませんが他を当たってください!」
と、頭を下げて逃げる。
○校内・図書室(昼休み)
紬のモノローグ【ここならきっと見つからないよね】
紬が周りを確認してひと息つく。
本棚の間を歩きながら何を読もうか考える。
本棚の一番上の本を取ろうと手を伸ばすが届かない。
持って来た台に乗って本を取ろうとする。
郁也「やっぱここにいた!」
と、郁也がやってくる。
紬のモノローグ【うそ、なんで⁉︎】
驚いた紬が、台の上で体勢を崩す。
郁也「危なっ!」
郁也が下敷きになり、全身で紬を受け止める。
紬が郁也を押し倒したような体勢で、2人の顔が至近距離にある。
倒れた時にメガネもマスクも外れ、さらに前髪も乱れているため、いつも隠れていた紬の素顔が露わになる。
童顔で、クリっとした大きな瞳が特徴的。
子犬のような愛らしさがある。
紬「すみません!!」
紬が慌てて郁也の上からどく。
慌てて避けた反動で紬は全然違う方向を向くが、メガネがないせいでほとんど何も見えていない。
紬「(棚に向かって)大丈夫でしたか⁉︎」
郁也「(笑いながら)俺はこっちね、こっち!」
と、紬を自分の方に向かせる。
紬が声の方を向いて
紬「すみません!あーーメガネメガネ」
と、手探りでメガネを探す。
郁也「待って、今とるから」
郁也は床に落ちている紬のメガネを拾い、紬にかける。
乱れた紬の前髪をサイドに流すように整えながら、
郁也「初めて紬と目合った」
くしゃっとした笑顔の郁也にドキッとする紬。
しかしすぐに我に返る。
郁也と距離をとり、マスクをつけ、前髪をいつものように前に下ろす。
郁也「どうしてもダメ?昨日の話」
紬「……勉強の件は、分かりました。私にできることならお手伝いします。でも、私のことはお構いなく……私はただ憧れてるだけなんです!納豆女の私が恋なんて、そんな恐れ多くて……」
郁也「納豆女?何それ?」
紬「それは……」
○(紬の回想)小学校・教室
紬のモノローグ【昔から自分の丸い顔が大嫌いだった。あのアンパンのキャラクターにも負けないほど立派な私のほっぺは、笑うと大きなたこ焼きが2つ作れてしまう。お父さんとお母さんはそれが可愛いんだと言ってくれたけど、クラスの子はそうは思わなかったみたい】
小学校中学年の紬、綺麗に切り揃えられた前髪に、ショートボブの髪型。
子供らしくて可愛いが、今よりも頬がふっくらとしていて顔が丸く見える。
男子「一ノ瀬ってほんと顔丸いよな!」
男子「納豆のパックの白いおばさんみたい!」
男子「じゃあお前、今日から納豆女な!」
男子「納豆に呪われた納豆女ー!」
担任「コラ!どうしてそんな酷いこと言うの!こっち来なさい!」
と、男子たちを叱る。
紬の目には涙が滲んでいて、こぼれないようにギュッと服の裾を握りしめる。
(紬の回想終わり)
○高校・図書室(昼休み)
紬が昔のことについて話し終える。
紬「言ってきたのは本当に一部の子だけで、いじめられてたとかではないんです……でもあれからずっと納豆女のことが頭から離れなくて……本当に私、呪われてるのかも」
必死に明るく振る舞おうとする紬を見て、怒りが込み上げる郁也。
郁也「許せねぇ……」
と、拳を握りしめる。
紬のモノローグ【なんか、怒ってる?】
郁也「知ってた?人のことバカにするやつは、口臭くなるらしいよ」
と、ニカッと笑う。
紬「それ、お父さんもよく言ってた……」
郁也「俺も昔ある人から教えてもらったんだ」
紬「そうなんですね」
郁也「大丈夫。そんな呪い、絶対俺が解いてやるから!」
と、手を出す。
紬のモノローグ【この時、なぜか私は鈴木くんの言葉にとても救われて、彼を信じてみたくなった】
紬は小さく笑って、郁也の手を握る。
郁也「取引成立だな!」