恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 私たちは婚約者同士だから、こういった姿を誰に見られても何も問題もないはずだけど、廊下に居る女官たちは嬉しそうに声をあげ、興味津々で見ていた。

 私は何故かびしょ濡れになっているし、それを横抱きにしているレンブラント様は怒りの表情だ。

 訳有りで何かあると思われても仕方ない状況だし、実際問題、私たち二人の間に何かはあった。

 これは、明日には貴族中の噂になってしまうと思う。

 もちろん……私に公然と宣戦布告したジャイルズ公爵令嬢ナターシャ様と結び付ける人も居るかもしれない。

 彼女本人の言葉を借りれば、それは立証不可能らしいけれど……。

「リディア。君がこんな池の中で、一人で泣いているなどとは思わなかった。遅くなってすまない。なかなか連絡が来ないから、僕の方から話を聞きに行こうと思ったんだが、まさか……こんな事になっているとは……」

 池の中で泣いていた私の姿をその時に思い出したのか、レンブラント様は怒りの感情で言葉を失ってしまったようだ。

「……ごめんなさい」

< 103 / 140 >

この作品をシェア

pagetop