恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 頭上の数字が私への好感度最高値なので、それは知っています……なんて、ここでは言えなかった。

 もうすぐ、レンブラント様に伝えなければならないとは、わかってはいるけれど……彼の口から聞き出した訳でもなく正攻法とは言えない方法で、それを知ってしまっているのだから。

「それに、実はリディアに、打ち明けねばならない事がある……長い間、隠していた。僕の秘密について」

「え? ……ええ」

 池に落ちてしまいずぶ濡れになってしまっていた私を横抱きにしていたレンブラント様は、決意を込めた口調でそう言った。

 彼からの好感度が見える私は、やはりそう言ってくれたと感じたと同時に、彼が口にした打ち明けねばならぬ秘密について、とても不思議だった。

 レンブラント様が私のことを好きであることは、先ほど聞いたけれど、それを隠してしまった理由については触れないままだった。

 レンブラント様はほどなく駆け寄って来た慌てた様子の侍従アンドレに、ずぶ濡れになっている私のために色々と準備を済ませるように指示し、初めて見る自室まで連れ帰るとメイドが用意していた毛布で私を包んだ。

< 106 / 140 >

この作品をシェア

pagetop