恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 部屋が、すごく広い……レンブラント様は王族だから、それは当然なのかもしれないけれど。

「……リディア。今は風邪をひくといけないから、また後でゆっくりと話そう」

「わかりました……」

 また慌てて入室したアンドレから何かを耳打ちされて、レンブラント様は『すぐに戻る』と言い残して部屋から出て行った。

 ……そういえば、私を池から救い出したレンブラント様は、これまでとは違って全く冷たい態度ではなかった。

「……リディア様。湯船のご用意が整いましたので、こちらへ」

「はい」

 私はメイドに促され本日二度目の湯浴みに向かい、池に落とされてしまった汚れを落とすことが出来た。

 着替えのドレスなどは、先ほど代理でダヴェンポート侯爵邸にまで取りに行ってくれていたイーディスが予備の物を持ってくれていたので、それで事足りた。

 レンブラント様を呼びに来たアンドレは、とても深刻そうな様子だったし……一体、彼が何を言いに来たのか、気になってしまう。

 私が身支度を調えてメイドに温かいお茶を淹れてもらい、身も心も温まった頃にレンブラント様が部屋へと戻って来た。

「リディア」

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