恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
「あら……そうなんですか」

 王族は白の魔女の子孫なのだから、特別に他の国民より早めに能力(ギフト)が発顕することだって、それは有り得るのかもしれない。

 けど……どうして、こんなにも、彼が緊張することになるの?

「……僕は『好きな相手の好感度が上がる時、周囲が輝いて見える』という能力(ギフト)を持っているんだ」

「そうなんですか……それは……」

 そうなのねと何気なく頷こうとした私は、レンブラント様の持つという能力(ギフト)の意味をゆっくりと理解し、言葉を失ってしまった。

 十歳と言えば、私たちがまだ婚約者として、発表される前のことだった。

 そして……私がレンブラント様にときめいていた時、彼は冷たい態度を取っていたと思う。

 それが、彼にわかっていたとしたら……続けていた理由も、何もかもわかってしまった。

「……これは、試験で例えると意図せず答えが見えてしまうようなもので……あまり良くないことだとは理解していた」

「あ……」

 やっぱり……レンブラント様は、私が彼の冷たい態度にときめくから、敢えてそうしてくれていたんだ……。

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