恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
03 とても良い。
イーディスとの楽しいお茶会を終えた私は、フレイン侯爵邸からの帰り道。暗くなりだした風景と馬車窓に薄く映る自分を見て、なんとも説明が付かない複雑な気持ちを持て余していた。
イーディスとエミールの関係が羨ましくないと言えば、嘘になってしまう。
けれど、もしエミールのような情熱的な男性であったとしたら、私は婚約者のことを好きにならなかっただろう。
窓に映る私の物憂げな顔。まっすぐな黒髪に、緑色の瞳……私に冷たい高貴な婚約者とは、全く違う色味。
……私の婚約者は、オルレニ王国第三王子レンブラント・ミッドフォード。
金髪碧眼の眉目秀麗で、学業も優秀、剣技もお強い。
文武両道を併せ持つ完璧な王子様と言える方だけれど、婚約者の私には冷たく素っ気なく優しい態度をあまり見せない。
ーーーーというところが、とても良い。
冷たい態度を貫く婚約者の姿が心に思い描かれて、思わずキュンとときめいた胸を押さえた。
黒い馬車窓に薄く映っている私。その頭の上に浮かんでいるのは、大きな『80』の数字。
イーディスには『自分の恋愛指数はどうなの?』と、聞かれなくて良かったと思う。
親友の彼女には正直に答えても良いんだけど、説明がしづらくて……。
だって、彼女は私と婚約者の関係について、冷え切っている関係だと思い込んでいるからだ。
……けれど、これは間違いなく、婚約者レンブラント様に向けての私からの恋心の数値だ。
イーディスとエミールの関係が羨ましくないと言えば、嘘になってしまう。
けれど、もしエミールのような情熱的な男性であったとしたら、私は婚約者のことを好きにならなかっただろう。
窓に映る私の物憂げな顔。まっすぐな黒髪に、緑色の瞳……私に冷たい高貴な婚約者とは、全く違う色味。
……私の婚約者は、オルレニ王国第三王子レンブラント・ミッドフォード。
金髪碧眼の眉目秀麗で、学業も優秀、剣技もお強い。
文武両道を併せ持つ完璧な王子様と言える方だけれど、婚約者の私には冷たく素っ気なく優しい態度をあまり見せない。
ーーーーというところが、とても良い。
冷たい態度を貫く婚約者の姿が心に思い描かれて、思わずキュンとときめいた胸を押さえた。
黒い馬車窓に薄く映っている私。その頭の上に浮かんでいるのは、大きな『80』の数字。
イーディスには『自分の恋愛指数はどうなの?』と、聞かれなくて良かったと思う。
親友の彼女には正直に答えても良いんだけど、説明がしづらくて……。
だって、彼女は私と婚約者の関係について、冷え切っている関係だと思い込んでいるからだ。
……けれど、これは間違いなく、婚約者レンブラント様に向けての私からの恋心の数値だ。