恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 私たち二人のすれ違いも、すべては私がそういう彼の態度に喜んでしまうからだった。

「リディアは婚約者から冷たい態度をされて喜ぶ女の子だと驚きはしたけれど、そうすれば君が喜ぶと思うと、僕もそうしてしまうという状況で……どこかで説明出来たら良かったんだが、今まで言えずに悪かった」

 言いづらそうに、紡がれる言葉。確かに、私はレンブラント様からの冷たい態度を喜んでいた。元とは言えば、それが原因なのだ。

 彼はいずれ将来結婚する相手なのだから、暑苦しくなく冷たい態度を取られる方が楽だとまで思っていた。

 ああ……私たちはお互いに持つ能力(ギフト)によって、変な誤解をしていたことになる。

「……レンブラント様。私にも謝りたい事があります」

「えっ……?」

 能力(ギフト)を打ち明け何を言われるかと緊張していたらしいレンブラント様は、私が謝りたいと口にした事が意外だったようで、ぽかんとした表情になっていた。

「私の能力(ギフト)は私への好感度を見る事でして……実は、冷たい態度を見せるレンブラント様が、私のことを最高値に値するほどに好きで居てくれることは、既に知っておりました!」

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