恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 予定を管理している侍従が私に情報を流したと聞いて、レンブラント様は額に手を置いて、頭が痛いと言わんばかりの表情になった。

「いや……もう良いんだ。アンドレがリディアとの婚約解消に繋がらないよう、それを防ぐために動いたとなれば、僕への忠義を立てたと言うことになるからね。もうそれは、許すしかない……許すしかないな」

「良かった! 本当に、ごめんなさい。これは、私が勘違いした事から始まったんですけど……」

 神殿の判定結果が間違いだったとしても、勘違いであることは直接レンブラント様に確認すればすぐにわかったのに、私はそれをしなかった。

 ……つまり、これって何もかも自分が悪いのだ。

「そうか。もしかして、あのレストランにリディアが居たのも……?」

 そこで偶然にしては行き過ぎていた偶然を思い出したのか、レンブラント様は首を傾げていた。

 あんな状況であったとしても偶然を信じてくれていたのは、決してレンブラント様が鈍感だからではなく、婚約者の私が言ったことをそのまま信じてくれていたからだと思う……。

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