恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 元々と言えば、私が私の好むように行動してくれていたレンブラント様に甘えていたのがすべての原因で、彼女を誤解させてしまっただけだった。

 ……けれど、だからと言って、嫌がらせをして良いという問題でもない。

 だから、本人たちで解決出来る事ならば、そうするべきなのだと。

「何か、問題があるのか……? もしかして、誰かに脅されているとでも?」

 ここで何も言えないということは、そういうことなのかと怪訝そうな表情を浮かべたレンブラント様は、私の態度を見て訳ありなのかと誤解してしまったようだ。

「そんな……! 何も言えないのは、そういう訳ではありません。ですが……これは、私と彼女の問題なのです。レンブラント様」

 私がそう言えば、レンブラント様は訳がわからないと言わんばかりに眉を寄せて首を傾げた。

「リディアは僕の婚約者だ。君に何かされたのなら、怒る権利は十分にあると思うのだが」

「それは……そう思って頂けて、すごく嬉しいです。ですが、これはそもそも私たちが円満な婚約者同士であれば、彼女とてつけ入る隙はないと思われたはずです」

 結局のところ、私が言いたいのはこれなのだ。

< 119 / 140 >

この作品をシェア

pagetop