恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
「ええ。もちろんですわ」

 レンブラント様はダンスを踊る直前のように、私の手の甲にキスをした。

 それと同時に、その青い目を眩しそうに細めていた。私がレンブラント様の振る舞いに対し、とてもときめいて……彼の能力(ギフト)により眩しく映ったせいだろうか。

 ……今だからこそ、気がつく。

 たまに彼がこうしていたのは、私がときめいていたからだったのね。

 私が彼にときめくと周囲が輝いて見えるなんて、なんだか少し不思議だけど……とっても素敵な能力(ギフト)だわ。

「……君が言いたいことは、十分に理解したよ。けれど、僕は君に起こった事実関係を掴んでおきたいんだよ。リディア。だから、何が起こったかどういう事を言われたかを教えて欲しいんだ」

「レンブラント様……」

 ここまで言って貰えれば、まるで私が黙っている事が、いけないように思えてしまう。

「絶対に、君に相談せずに彼らに罰を下さないよ。父母や兄上にも口を割らない。誓う」

「……わかりました」

 流石にここまで言われてもう黙ってはいられないと私が渋々頷けば、その身を引いたレンブラント様は足を組んでにっこりと微笑んだ。

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