恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 彼が何気なく口にした言葉に、私は驚いてしまった。

 王家の慣例通りにいくと、兄二人の結婚式が終わってから第三王子レンブラント様の結婚になるだろうし、私たちの結婚式はまだまだ先のことだとそう思って居たからだ。

「別に驚くことでもないだろう。僕たちは婚約者で、いずれ結婚するんだ。それに、僕もリディアも既に成人しているし、いつ結婚してたって構わないんだから」

 レンブラント様は目を丸くして、私が驚いたことに驚いているようだった。

「そっ……そうですよね。私もそれは、わかっています……わかっているんですけど」

 私たちの結婚式はまだまだ先で余裕があると思って居たし、ここ最近の関係の変化はあまりにも急激過ぎた。

 私本人が、戸惑ってしまうくらいに……。

 俯いていた私が顔を上げれば、レンブラント様は微笑んだ。

「また……リディアの周囲がきらめいている。実はこれは、便利なようで難しい能力(ギフト)なんだ。ようやくリディア本人に聞くことが出来るんだけど、何が良くてときめいてくれたの?」

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