恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 私たちは既にお互いの能力(ギフト)の内容を知っているのでレンブラント様は単に疑問に思ったことを、そのまま尋ねたようだ。

「っ……その、今のは、レンブラント様と」

「ああ」

「目が合ったからだと、思います……」

 顔が熱くなって声が小さくなった私を見て、レンブラント様は目を細めた。また、私の周囲はきらめき眩しくなったからだと思う。

「君は本当に可愛いね。リディア。僕はずっと、そう言いたかったんだけど?」

「……ごめんなさい」

 私が家庭環境から冷たくしてくれるくらいの男性が好きと思ってしまっていたから、彼はただそれを演じてくれていただけに過ぎない。

 十七歳の誕生日の日に、能力(ギフト)を得てから何が良かったかというと、レンブラント様とこうして何もかもさらけ出し話し合うことが出来るようになったことだ。

 それがなければ、誤解が解けることは一生なかったかもしれない。

「それは、別に謝ることではないよ。それに、僕が君を好きな気持ちは数字になって現れているようだからね。別に疑われることはないだろうけれど」

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