恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
「あ。そのことなんですけど、私……実は能力(ギフト)を抑制することにしたんです」

 私は手首にある腕輪が見えやすいように手を挙げて、それだけで何をしたのかレンブラント様はわかってくれたようだ。

「ああ……そうなんだね。どうして?」

「私が与えられた能力(ギフト)は、本当に素晴らしいものですけど……自分への好感度なんて、生きて行く上で見えない方が良いですよね……」

 レンブラント様や家族、そして、親友と呼べるイーディスに関しては何も疑うところはないけれど、誰しも合う合わないがあるはずで、それが可視化されてわかってしまうというのも見えていたのは短期間だけど生きづらさを感じてしまった。

 これを逆に楽しんでしまう人だってどこかに居るはずだけど、私にはあまり必要のない能力(ギフト)だった。

 白の魔女からの|贈り物(ギフト)を全員に与えられる国民の中には、自分には合わないと二度と使わない事を選ぶ人だって居るはずで、私もその一人になった。

「見えなくても……僕はどんな君でも、最高値に愛するよ。リディアはその腕輪を外せば、すぐにわかってくれると思うけど」

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