恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 もしかしたら、こういう家族構成には割と良くあることなのかも知れないけれど、私にとっては日常が家族の暑苦しい愛情に満たされていて、息苦しくて堪らない。

「何の話を……っ」

「もうっ……お父様! 乙女同士の話の内容を聞いて、何が楽しいのですか。いい加減にしてくださいませ!」

 何から何まで詮索しようとする父に私が我慢出来なくなり振り返って、彼を睨むと嬉しそうに微笑んだ。

 父の頭にある数字は『100』これは、間違いなく亡き妻に対する恋愛指数。

 死してなお、お父様はお母様を最高に愛しているのだ。

 ……そうだろうと思ったわ。再婚だって何年経ってもしないものね。

「……ああ! そうして怒る顔もエリーゼそっくりだ! なんて、可愛いんだ!」

 亡き母そっくりという私の怒った顔を見て喜びに悶える父の姿に、やはり男性からは、冷たく接される程度がちょうど良いわと私は冷静に思った。

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