恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 待って。これって、彼に他に好きな人が居るから、私にはこんなにも冷たかったということ?

 ……嘘でしょう。

 私ったら、なんて馬鹿なの。

 そんな可能性を、今まで考えもしなかったわ!

 私たちはいつものように舞踏会場入りし、そつなく婚約者として振る舞い、身分の高い者から順に踊ることになるから早々に二回踊った。

 踊っている間も彼の頭上にふよふよと浮かぶ『100』が気になってしまい、レンブラント様の整ったお顔を不用意に見られない。

「……ああ。リディア。そういえば、十七歳の誕生日に与えられた君の能力(ギフト)は何だったのか、聞いて良いだろうか?」

「わっ……私の能力(ギフト)ですか!」

 二回目のダンスを終えた時、あまり婚約者に興味を示さないレンブラント様に不意を突かれて、自分でもおかしいくらいに慌ててしまった。

 レンブラント様は何もおかしくない質問をしただけなのに挙動不審になっている私を見て、とても驚いた表情になっていた。

 ああ……し……しまった。

 ここから、何をどう説明すれば『お菓子が賞味期限が切れているか見ればわかる能力』だと、嘘をつくことが出来るの?
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