恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 私の言葉を待っているレンブラント様に、彼に何の能力(ギフト)か聞かれればこうしようと思って居た能力(ギフト)を思い浮かべては、ここで聞かれてもこんな反応はおかしいと思い直す。

 だから、無言のままで不思議そうな表情を浮かべた彼を、見つめるしかなかった。

 ううん……おかしいおかしい。この状況はとても、おかしいわ。

 ええ。わかっている。自分が、変な態度をしているってことは。

 けど、レンブラント様の頭の上にふよふよと浮かぶ『100』を見る度に、どうしようもないくらいに、とても動揺してしまっている。

「あの、リディア……どうしたんだ? 先ほどから、何だか様子がおかしいように感じるのだが」

 質問をしたのに黙ったままの私に対し、しびれを切らしてしまったのか、芸術的な配置にある両眉を寄せ、彼は渋い顔をしていた。

 ……ええ。レンブラント様の頭の上の『100』が、気になってしまって堪らなくてですね……なんて、言えない。

 ……ああっ! 何をどう言えば、これをここから誤魔化せるの?

「そっ……そういえば、レンブラント様。レンブラント様の能力は、何なのですか?」

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