恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 私より二つ上のレンブラント様は、既に能力が発顕しているはずだ。

 それを、今までに気にならなかったと言えば嘘になる。けれど、さりげなく聞く機会がこれまでになかったのだ。

 咄嗟に切り返した質問は彼にとっては予想外だったのか、レンブラント様は見る間に不機嫌な顔になり首を横に振った。

「……君に僕の能力(ギフト)を伝えるつもりはない」

 あ。やっぱり……彼は、こうでなくてはいけないわ。

 冷たく言い放つと見る間にスッと無表情になり、何故かじっと私を見つめると、レンブラント様は私から唐突に離れて行った。

 一人残された私はどうにか難を逃れたと、胸を撫で下ろして大きく息をついた。

 レンブラント様が離れてくれて、ようやく少し落ち着いて考えることが出来る。

 ……いえ。待って……だって、まだこの目の前にある現実が、上手く理解出来ないわ。

 だって、レンブラント様は恋愛指数が最高値『100』なのでしょう?

 婚約者の私には、このようにしてとても冷たい態度だということは……彼は一体、誰に恋をしているの?



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