恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 アンドレは懸命に主を庇おうと説明しているけれど、私の能力(ギフト)の話をすれば、誤魔化しきれない。彼はなんて言うかしら?

 ここに至るまでの経緯を、すべて言ってしまおうかと思った。けれど、直前に思いとどまった。

 ……だって、アンドレはあくまで、レンブラント様側の人間だ。

 レンブラント様だって能力(ギフト)を私に教えてくれないんだから、私だって言わない方が良いわ。

「……根拠については詳しく言えないけれど、私は浮気相手が居ることを知っているの。だから、出来れば教えて欲しいわ。包み隠さず、ちゃんと言って欲しいの。そうしたら、私も婚約者としてしなければいけないことをするわ」

「リディア様が、婚約者としてしなければいけないこと……ですか……それは、もしかして」

 話の内容を聞き、私の本気さ加減に大きな衝撃を受けたらしいアンドレは息をのんでいた。

 彼だって、わかっているはずだ。たとえまだ婚約中とは言え、不貞は契約違反。それは、婚約解消の原因になり得るのだと。

 覚悟を決めた私の据わった目を見て、これは本気だと、アンドレはようやく気がついたのかもしれない。

< 34 / 140 >

この作品をシェア

pagetop