恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
「……ええ。だから、貴方に協力を仰ぎたいの。レンブラント様のご予定を、私には教えて欲しいわ。事前にわかるならばその場ではどんな動きをするかも、出来れば、すべてを知っておきたいの」

 動揺しているところにたたみかけるようにこちらの要望を話せば、有能なアンドレは珍しくしどろもどろになって狼狽えていた。

「そっ……それは、無理です。殿下のご予定や行き先などは、知られてはいけない機密情報なのです。いくら殿下の婚約者リディア様と言えど、私にだって……その、立場がありまして」

 王族がこれから何をどうするかなどを知る事が出来れば、暗殺の危険が増してしまう。

 アンドレの言い分も、もっともだと私は頷き、切り札を出すことにした。

「それでは、疑わしいは有罪として、私はレンブラント様との、婚約解消を申し入れることにします」

「リディア様! それは! それは……どうか、思い留まりくださいませ」

 アンドレは私の捨て身の脅し文句に対し、ものの見事に焦っていた。

 ……もちろん。私は婚約解消なんてする気は無くて、これは単なる脅しだし、優秀なアンドレもそれは薄々わかっているはずだ。

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