恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
「……わかりました。本来ならばこれは許されぬ行為ではありますが、他ならぬ殿下の婚約者であるリディア様がお相手なので、問題のない程度にはお教えします。ですが、レンブラント殿下に女性の入る隙間なんて、本当にございませんよ。あのお方が分刻みで動きご多忙であることは、リディア様だって知っておられるでしょう?」

「それは……確かに、知っているけれど」

 オルレニ王国王族は驚くほど多忙なのは、身近に居る私だって知っていた。第三王子とは言え重要な公務が割り振られ、レンブラント様は兄二人とは違う外交関係を任されることが多いそうだ。

「リディア様のお誕生日当日には、どうしても移動が間に合わずに行けないからと、自ら花もメッセージカードも時間を掛けて選ばれたのですよ」

 そんな小さな情報で、安心しろとでも?

 ……侍従アンドレはレンブラント様に仕えているし、なんとでも言えるもの。

 けれど、婚約者の私に冷たい態度を見せるレンブラント様の恋愛指数は、間違いなく最高値の『100』であることには、誤魔化しなんて利かない。




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