恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
「……あっ! これだこれだ。お待たせいたしました……えっとですね。その人の恋愛の深さの数値が見えるそうです。つまり、その人が恋をしているとすれば、どの程度の深さで恋愛をしているか、数値化されてわかってしまうようですね。最低値は『0』に最高値は『100』で、その間で数値化されるようです。それと……同時進行で恋愛が深まっている場合は、一番高い方の数値が見えるそうです」

 ……ああ。この頭上に浮かんで見える数字って、その人の恋愛指数を表しているものなのね。

 神官の彼も『60』ということなのなら、割と恋愛指数が高い恋人が居るということなのかしら。

 けど……彼は恋愛するより、落ち着くことを優先した方が良いかも知れない。

 水晶に出て来る記号とこれまでの例が書かれた本の記述を照らし合わせて伝えるだけだというのに、本当に慌て過ぎだと思うもの。

「……そうなのね。なんだか、使いどころが良くわからない能力(ギフト)だわ」

 新米神官の必死な説明を聞き終わった私は、苦笑しながら頷いた。

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