恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 苦笑しつつ仕事の苦労を話しているレンブラント様に、私の胸は思わずときめいてしまった。

 ……大変な仕事を頑張っていらっしゃるところも、やっぱり素敵だわ。

 いいえ。レンブラント様は、前々から素敵なのよ。冷たく接されていたとしても、私自身だって恋愛指数は高い数値を保っているもの。

 思わずふふっと微笑んでしまい、彼はそんな私を見て、眩しそうに目を細めた。

「……なんだか、お仕事の邪魔をしてしまっていて、申し訳ありません」

 そんなつもりはなかったけれど、彼がここに居て私がここに居ると知っている経緯を知れば、それは納得する事が出来た。

 つまり、会見用に貸し切っていたレストランの中で、部外者と言える人は私だけだったのだわ。

 アンドレったら……これも、教えてくれれば良かったのに。

 いいえ。こっそりレンブラント様の予定を教えてくれただけ有り難いし、アンドレには感謝しなければならないけれど。

「いや。構わない。だが、君は誰か友人と共に食事に来るのかと僕は思っていたんだが、ずっと一人だった事が気になっていた。食事もあまり進んでいないと聞いたが」

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