恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 私が上手くいっていないのにエミールのことを話すのもいけないと思ったのか、自分のことについては誤魔化すようにイーディスは言った。

 私のような能力(ギフト)で特別な時だけでなく常時何かに作用してしまうものは、神官が神力を込めたアクセサリーで抑制することが出来る。

 ちなみに神殿で、割と良い値段で購入することは可能だ。

 だから、私も頭上に見える数字を見えないようにすることは出来るのだけど、今見えなくしてしまっても気になってしまうだろうと思う。

「今は良いわ。どうせ数字の存在が気になって堪らなくなって、すぐに外してしまうと思うもの」

 なんとなく未来が想像出来てしまった私が肩を竦めると、イーディスは苦笑して頷いた。

「そうね。大抵の能力(ギフト)は少し生活改善する程度だけど、リディアは婚約者の恋愛指数が見えるようになってしまって、これがなかったとしたら、起こりえない波乱が起こってしまったわね」

 イーディスはそう言って、複雑な表情を浮かべていた。けれど、私はあのまま真実を知らなかった方が幸せだったとは思えなかった。

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