恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜

10 告白

 今日も私はアンドレが用意してくれた部屋で執務中のレンブラント様を高価な双眼鏡で見つめながら、昨日偶然にも確認してしまったエミールの『恋愛指数』の低さについて考えていた。

 イーディスは、私にとって一番の親友だ。彼女にとっても、きっとそうだと思う。

 幼い頃からとても仲が良くて、私の幸せを一番に喜んでくれる友人は彼女だろうし、私にとっても彼女の幸せは心から喜びたいと思える人なのだ。

 それなのに、あの……付き合いだしたばかりの恋人エミールの頭上にあった数字……信じられない。

 エミールは最初から好意を隠さずに迫ったイーディスを好きでいるだろうと思っていたし、彼女だってそれを疑っていないはずだ。

 あのように、二人の恋愛指数に差があるということは……もしかしたら、彼はイーディスを利用しようとしているということ……?

 彼女のフレイン伯爵家は莫大な資産を持つ家として有名なのだけど、跡取りとなる男子に恵まれず、彼女は次期フレイン伯爵となる婿を迎えるはずの総領娘だ。

 対して、エミールはルピノ伯爵令息とは言え、世間的には“跡取りのスペア扱い”されてしまう次男。

 つまり、本来ならば実業家や騎士として身を立てて生きていくか、こうして……婿取りすることを希望している女性と結婚をするかしか生きる道がない。

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