恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 元々、そういうものだとは知っているけれど、判定されてどんな能力(ギフト)なのかを知ってしまえば『そんなものか』と思ってしまうことは避けられないのね。


★♡◆


 白の魔女が創ったオルレニ王国では、国民全員十七歳の誕生日にちょっと役立つ『能力(ギフト)』が覚醒する。

 創国の女王である白の魔女が、数百年前に国民たちの前で能力(ギフト)の件を宣言したそうだ。

 『果物の最高の食べ頃を見ただけで判別出来る』、『時計を見ずとも何時かわかる』、『地図を見なくとも、なんとなくで目的地に辿り着くことが出来る』などなど、能力(ギフト)の種類は人によってそれぞれ様々だ。

 けれど、能力(ギフト)は人生の中で何かとんでもない奇跡の起こるような能力ではなくて、生活の中で少しだけマシになる程度の可愛い魔法が、オルレニ王国国民全員に白い魔女からの|贈り物(ギフト)として使うことが出来るようになる。

 そして、国民たちに与えられる能力(ギフト)の種類も創国から数百年経った今では神殿で蓄積されて保存されていて、国民は十七歳の誕生日を迎えてすぐに三つの水晶による『能力判別の儀式』が行われ、自分にはどんな能力(ギフト)を与えられたかを、そこで知ることになる。

 これは、特に遺伝などすることもなく、どんな能力(ギフト)になるのか運要素がとても高いので、十七歳の誕生日の前の日は眠れない人も多いと聞く。

 その理由は、楽しみ過ぎて。


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