恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 こんな風に冷たい態度を取られてしまうと、すごく切ない。

「……リディア? どうした。何かあったのか?」

「いっ……いいえ! なんでもありませんわ。レンブラント様も、気になさらないでください」

「……そうか」

 レンブラント様は私をしげしげと見ていて、なんだか不思議そうだ。

 ……どうしたのかしら。幼い頃から婚約者として長く一緒に居たけれど、レンブラント様のこんな表情は初めて見る。

 黙ったまま見つめ合った無言の時が続き、レンブラント様はそろそろ時間だからと知らせに来た侍従アンドレの言葉に頷いて帰って行った。



★♡◆



 次の日の夜会。

 私とレンブラント様はいつものごとく婚約者らしく二回踊って、お互いの友人の元へと向かうことになった。

 レンブラント様はここのところ、私の様子がやけにおかしいとは勘付いているようだ。つい先ほども、私に何かを言いかけてやめるを繰り返していた。

 もうそろそろ神殿からの返信が来るはずだし、私も彼に腹を割って、話さなければならないのかもしれない。

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