恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
「あ……レンブラント様。それは、既に問い合わせ済みなのですわ。もうそろそろ、私の元へと返信が届くと思うのですが」

 神殿は私たちの住む王都から、それほど遠くない距離にある。

 けれど、神官たちだって手紙の対応ばかりをしている訳でもないし、私の問い合わせについての返信が遅くなっても仕方ないだろう。

「そうか……リディアも災難だったが、もうすぐ正確な能力(ギフト)が判明するのならば、それで安心することが出来るだろう」

「……はい」

 いつになく優しい態度を見せるレンブラント様に、嬉しくなって私は微笑んだ。彼は目を細めて笑顔を返してくれた。

 そして、ここ二週間ほど謎な行動を取っていた事に対し、レンブラント様も納得してくださっただろうとほっと安心して息をついた。

 城の廊下を歩きながら話をしていたら、馬車止めまで辿り付き、私を待っていたダヴェンポート侯爵家の御者が一通の手紙を差し出した。

「え。これは……?」

「最近、お嬢様が待っていらっしゃった神殿からの手紙です。お急ぎだからと、こちらまでお持ちしました」

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