恋病、発熱。〜私に冷たい婚約者、誰かに恋愛指数100みたいです〜
 彼女はうっすらとそばかすのある白く美しい陶器肌が特徴で、焦げ茶の髪に同色の瞳を持つ可愛らしい女性だ。

 ちなみに、私とは同じ歳で数ヶ月前に先に誕生日を迎えたイーディスは『紙程度の軽い物ならば浮かせることが出来る』能力(ギフト)らしい。

 とは言え、日常の中でそんな能力(ギフト)をどう使えば良いのか用途がわからないので、ほぼ使わないそうだ。

 もしかしたら、彼女が紙を扱う仕事をしていたら役に立つこともあったかも知れないけれど、労働をすることのない貴族令嬢に使える場面はないだろう。

 私も彼女の能力(ギフト)を誕生日直後に見せて貰ったことがあるけれど『紙が浮いたわね』という感想以外は思い浮かばなかった。

 そうして、ろくに使われないままに終わってしまう能力(ギフト)も多いのだろうと思う。

 教会での『能力(ギフト)判別の儀式』を受けた誕生日の三日後に、私たち二人はフレイン伯爵邸の陽光降り注ぐ庭園にてお茶会をしていた。

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